こんにちは、横浜市会議員の渡邊忠則(わたなべただのり)です。

 本日は速報として、先ほど公表された(仮称)豊岡町複合施設再編整備事業の事業計画の素案についてご報告します。

図書館、保育園、区民活動センターなど一つに

 (仮称)豊岡町複合施設再編整備事業は、豊岡小学校が老朽化により建て替えとなることを契機に、小学校周辺にある鶴見図書館、鶴見保育園、つるみ区民活動センター、鶴見区地域子育て支援拠点とあわせて再編整備し、新たに複合施設として生まれ変わらせる事業です。

 再編することで新たに、「安心して子育てができると感じる場」「子どもから高齢者までが生き生きと過ごせる場」「生涯学習や地域活動に取り組める魅力的な場」「地域の方々の多様な思いが込められたコミュニティの場」の創出を目的に掲げています。

複合施設の敷地となる現在の豊岡小学校

子どもはじめ、全年代が「つながる学び舎」に

 複合施設の基本コンセプトは「つながる学び舎」。

 子どもや子育て世代をはじめ、地域の全世代がつどい、つながりを生みだす場であり、人生を豊かにする学びの場にもしていくとしています。

全施設で現在規模より拡充

 事業開始にあたり、地域の皆様から懸案事項の一つとして挙げられていた各施設の規模ですが、以下の表のとおり、今回の素案では全施設で延床面積が現在規模を上回る計画となりました。

 特に小学校は約1.3倍に拡充。図書館は従来機能だけでなく、「つどい」「体験」「交流」「連携」といった場としての機能をもたせることも踏まえ、約3.3倍に広がる予定です。

 これは、整備敷地は現小学校のスペースと変わらないものの、31メートルの高さ制限を活用して確保していく考えです。

なお、小学校のグラウンドや、保育所の面積等、現在の整備水準などに基づき必要な広さや機能については、しっかりと基準を満たしていくのでご安心ください。

 さらに、複合施設としての基本的な考え方として、「教育・保育環境の向上」はもとより、「ランドマークとしての役割」や「地域防災拠点の機能」「インクルーシブ社会の実現」などを踏まえ、整備に取り組む姿勢を示しています。

さまざまな主体が連携し、機能をつなぐゾーニング

 複合化により期待するのが、施設連携による相乗効果です。せっかく一つの施設になるにもかかわらず、相互に機能補完や高め合う連携ができなければ意味がありません。

 それについて市の素案では、以下のようなイメージを提案しています。

機能つながり・連携イメージ(横浜市制作資料より抜粋)

 親子ゾーンやカフェなどを例にする賑わいゾーン、子どもが学ぶこどもゾーン、多世代交流ゾーンなど、各施設の機能などが連携し合うイメージです。

 なかでも、教育環境の向上として、学校図書館と鶴見図書館の連携しやすい配置や、多様な主体と教員の連携による学びの充実などを想定。

 市民サービスの充実としては、複合施設内のどの施設でも図書館の本を活用できることや、各施設が連携した事業やイベントの展開、全年代に対しても居場所・活動場所の提供などを挙げています。

民間事業のノウハウ生かし整備

 施設の計画案としても、小学校の普通教室は4階以下、保育所は原則2階以下など、子どもたちの負担に配慮し、維持管理や施設の総合案内などの業務は民間事業者のノウハウを生かしていく形です。

 建設工事等にかかる想定整備費は約110億円。

 想定される整備手法としては、民間事業者による建設、維持管理を行いながら、公共が所有権を有する「PFI事業(BTO方式)+定期借地権設定」を基本に検討を進める予定と示されました。

素案への意見も踏まえ整備へ

 気になる今後の整備スケジュールですが、今回の素案をもとに地域向けの意見交換会を行い、その後に本計画や実施方針等を整え、整備事業者を入札で決定したあと、早ければ2027年度に着工していく流れです。

 ただし、今回示された配置案(下記画像)のとおり、工事にあたっては、保護者や地域の方々から意見の出ていた学校運営への影響を考慮し、仮設校舎を設置せず、敷地を活用しながら段階的に整備していく案が示されています。

素案で示された配置案。①現校庭に小学校、保育所、図書館等を建設整備、②既存校舎(体育館以外)を解体、③体育館、グラウンドを整備、④既存体育館解体

 そのため、今後のスケジュールはさまざまな要素で変更となる可能性を含みますが、いずれにしても、子どもたちの教育環境をはじめとする地域ニーズをしっかりと検討しながら、私も推移を見守っていきます。

未来の子どもたち、そして鶴見のまちのために

 今回の素案は、横浜市が整備にあたり住民の皆様から募った意見や、時代の流れ、市を取り巻くさまざまな状況を鑑みてまとめたものです。

 単に施設を再編、複合化するのではなく、地域社会の状況も踏まえながら、未来ある子どもたちを中心とした地域のためのものになるべきと私は考えています。

 初めての試みが多く詰まった、新しい施設であり、さまざまな意見、議論があることと思いますが、(仮称)豊岡町複合施設を中心に、鶴見のまちが活性化していくことを望みながら、今後もこの事業に関わってまいります。

【企画・制作/わたなべ忠則政務調査事務所】

■住所:横浜市鶴見区鶴見中央2−8−7

■連絡先:045-521-6427


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