鶴見銀座商店街に登場 ピンクのビルの正体は？ 今春オープンの新店舗情報も
ピンク色の外観が目を引くイル プリモ キソヤ
IL Primo KISOYA（イル プリモ キソヤ）
京急鶴見駅すぐの鶴見銀座商店街（愛称：ベルロードつるみ）にこのほど現れたピンク色のビル。その名も「IL Primo KISOYA」（イル プリモ キソヤ）＝横浜市鶴見区鶴見中央4−6−10。
竣工式の知らせを受けて、2月7日、編集部が現地を取材。外観に込められた思いや、受け継がれる歴史、そして新店舗情報が判明した。
18代続く木曽屋が整備
ビルを建設したのは、この地で創業し、実に18代続くという㈱木曽屋（中西英一代表取締役）。旧ビルが耐震化のため建て替えとなり、一昨年3月から整備が進められていた。
イルプリモは「最初の」を意味するイタリア語。元々の第一ビルという名前を引き継ぎ、「イルプリモキソヤ」となった。
鉄筋コンクリート造地上10階建てで、1階に2店舗、2階の一部に貸事務所が入り、そのほかは賃貸居室（29戸※現在入居者募集中）となっている。
1976年に完成した先代の木曽屋第一ビル。当時もランドマークとして目立つ建物だったという（木曽屋提供）
先代ビルをオマージュ まちのランドマークに
先代により建てられた旧ビル・木曽屋第一ビルが完成したのは1976年8月。オレンジ色の外壁に円形の窓などが特徴で、当時としてはファンシーなデザインが目を引く建物だった。
新ビル・イルプリモキソヤでも、その歴史を受け継ぎ、色調とデザインを踏襲。
色合いは、アメリカの小説家アーネスト・ヘミングウェイが常宿としていたというキューバのホテル「アンボス ムンドス」からインスピレーションを受け、ピンクに。
旧ビルの半円形の窓枠などをオマージュし、「商店街を歩いている人が楽しくなるように、通り全体が明るくなるように。そんな思いを込めた」と中西さんは説明する。
施工した髙松建設によると、窓枠や外壁のデザインは後付けではなく、躯体のコンクリートから型枠をはめてデザインしたものだという。
窓枠など外壁の白い部分のデザインはすべて躯体から型枠で切り出されており、一つのコンクリートから出来ている。気になる店舗は1階アーチ中央の廊下をはさみ、向かって右側に木曽屋のセレクトショップ、左側にバルドゥーン ドイツ デリカテッセンがオープン予定
一点もののセレクトショップに本場ドイツの味が楽しめるデリカテッセン
1階部分の店舗スペースは2月7日現在も工事中だが、木曽屋によると2店舗とも3月下旬〜4月初旬ごろのオープンを目指しているという。
両店舗とも広さは10坪ほど。一店舗は木曽屋によるセレクトショップとカフェで、漆器やアンティークといった一点ものを置き、店内でカフェも楽しめる店舗として準備中。
二店舗目は、潮田町に工房を置く、「バルドゥーン ドイツ デリカテッセン」が出店を予定。
バルドゥーンは、無添加手作りの本場ドイツソーセージなどを提供する人気のデリカテッセン。これまでの販売形態は、鶴見銀座商店街のイベントや、鶴見区内外のマルシェなどでの催事出店とオンラインのみ。今回が初の実店舗となる。
2階の貸事務所は現在募集中だという。
鶴見銀座商店街の塩田一善副理事長は「新たに商店街のランドマークになる建物。活性化に努めてもらい、一緒にがんばりたい」と完成を歓迎。
中西さんは「建ったところからがスタート。会社はもちろん、鶴見銀座商店街や鶴見のまちを盛り上げていきたい」と話した。
