ティップネスキッズ鶴見店で5月30日、子どもたちを対象とした着衣水泳体験会が行われ、洋服を着たまま落水する怖さなどを学んだ。

 「地域から水難事故を0(ゼロ)に」という思いのもとで企画している体験会。地域貢献の一環として会員以外からも参加者を募り、今回は一般を含む約40人が参加した。

コーチの指導を受けながら着衣泳を体験した

水着と洋服で水中へ 転落も体験

 当日の体験はレベル別にグループにわかれて進められた。

 コーチの説明のあと、子どもたちは始めに水着のまま水中歩行、水中ジャンプ、ドッグパドル(犬かき)、バックフィニング(背泳ぎキック)の4種類を体験。

まずは水着のまま、水中で歩いたりジャンプしたり、動きを確認

水着の上から持参した服を着る子どもたち。コーチもTシャツと短パン姿になった

 その後、水着の上から持参した服を着て、同じ4種類の動きをこなし、違いを体感した。

 続いて行われた転落体験では、プールサイドに座った状態から、「自分で落水」「押されて落水」をそれぞれ目を開けた状態と閉じた状態の4パターンで実施。

 ふとした瞬間に転落する怖さも経験した。

 普段と違う服装で入水した子どもたちからは、水着のときの楽しそうな笑い声から一変、「重い」「動きづらい」と叫び声が上がる場面もあった。

洋服のまま水に入ると、「重い」といった声が上がった

最も大変そうだった水中から上がる瞬間

合言葉は「浮いて待て」 トップ級の児童でも難しさ

 最後は体験会のポイントとなる「浮いて待て」を実践。何もない状態で浮かぶ姿勢のほか、持参した空の2リットルのペットボトルを持ったり、服の中に入れた状態で浮く姿勢を練習した。

 ティップネス・キッズ鶴見店でトップクラスに通い、100m以上泳ぐという獅子ヶ谷小学校3年生の女児は「正直、もうちょっと泳げると思っていたけど、水に入ってからだんだん重くなって、すごく泳ぎづらかった」とコメント。泳ぎが得意でも着衣状態では困難になる様子だった。

ペットボトルを抱えて浮く子どもたち

 小学校低学年の子を持つ保護者の一人は「聞くだけではなく、やらないとわからないもの」としたうえで、「三ツ池公園など水辺がある場所に子どもたち同士で遊びに行くようになったときが怖い。とても良い機会になった」と話した。

 体験会で指導した橋野洋平スクールチーフは着衣泳について、研修を受けた泳げる大人でも大変なものと指摘。「慌てることが危険。服が濡れた状態でも浮くので、『浮いて待て』が重要」とポイントを語り、体験を通じて水難事故の怖さや命を守る大切さを伝えた。

浮いて待つ子どもたちにコーチたちが波や飛沫を立てる場面も


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