寺尾地区にプレイパークを 新たな“居場所”開設へ区民が奔走中
「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、子どもたちが外で遊ぶ場を提供するプレイパーク。そのプレイパークを東寺尾の白幡公園に開設しようと、昨秋設立された区民有志グループ「寺尾地区でプレイパークをつくる会」が活動している。
7月末には、定期実施に向け単独では初めてとなるプレイパークを開催。子どもから大人まで60人ほどが集まり、笑顔があふれたという。現在、会の正規メンバーは2人。仲間を募りながら、次回12月の開催に向け準備を進めている。
子どもの自主性、生きる力を育む
プレイパークは、子どもたちが自由に遊べるように、普段公園では難しい焚き火や木登り、水遊びといった禁止事項を減らした遊び場。自主性や生きる力を育む取組として各地に設置されている。
運営は有志の住民によるもので、プレイリーダーと呼ばれる遊びの指南役となる大人を中心に、地域などが協力して開かれるところが多い。
鶴見区内には、「ケガと弁当は自分持ち」を合言葉に、入船公園と県立三ツ池公園で定期開催中の「つるみプレイパーク」がある。
横浜市ではNPO法人「横浜にプレイパークを創ろうネットワーク」(YPC)がコーディネーターやプレイリーダーを派遣するなどして開設を支援している。
子育てママが設立 「寺尾地区でプレイパークをつくる会」
白幡公園での開設に奔走するのは、周辺に住む子育て中のママ2人。「寺尾地区でプレイパークをつくる会」を立ち上げた井上彩子さんと佐藤祥子さんだ。
「やりたいとずっと言い続けてきた」と話すのは代表を務める井上さん。6年ほど前に鶴見区に移る前、住んでいた都筑区で当時未就学だった子ども2人を連れ、プレイパークで遊ばせていたという。
「すごいやんちゃな子どもだったんです。型にはめず怒られず遊べて、親も安心して話ができた」とし、子育て中の救いだったと井上さんは振り返る。
鶴見に越してからは、つるみプレイパークを活用していたが、「子どもたちだけでも行ける距離。近くに欲しい」と思いが強くなっていった。
一方の佐藤さんも、つるみプレイパークの利用者。「初めまして同士でも、年代が違っていても、共有すると楽しくなる。色々と制限の多い中で、自由に過ごせる場所はいい」と意義を語る。
井上さんとの出会いは、入船公園などに参加している中でつるみプレイパークの運営者に「寺尾でやりたいって言っている人がいる」と紹介されたことがきっかけだった。
「歩いて行ける場所にプレイパークを」。2人は、つるみプレイパークと、寺尾地区福祉のまちづくり推進協議会(てらお福まち協議会)の協力を得て、イベントとして第1弾を実施。昨年10月、会を発足させた。
初プレイパークは成功 仲間募り定期開催へ
単独では初めての開催となった7月末のプレイパーク。助成金活用の算段、公園利用について鶴見土木事務所との交渉、プレイパークのコーディネーターと当日の内容の調整など、準備に月日を重ねた。
迎えた当日、子どもから大人まで60人が参加。自生の木を使ったブランコ、ブルーシートに水をはり、水鉄砲や泥遊びに笑顔が咲いた。「ニーズはある。楽しそうに過ごす姿を見て、定期的に開催したいと思った」と佐藤さんは話す。
それと同時に、「仲間が必要」と佐藤さん。「私も最初は、市の人がやってくれていると思っていた」としながら、「自分たちが立ち上がらないとできないもの。少しずつでも協力してもらえたら」と参加を呼びかける。
次回の白幡公園でのプレイパークは12月の開催を予定している。また、10月15日には仲間集めを兼ね、寺尾地区センターで講師を招いた「外遊び講座」を企画。井上さんは「無理なくつながりながら楽しめるようにしたい」と話している。