地域の“大先輩”、石川建治さんが語る生麦のまちの歴史や、昔の生麦小学校の話に耳を傾ける児童たち

1年前の特別版 児童実行委員もお披露目 

 生麦小学校(小倉孝行校長/全校児童数362人)で創立記念日となる6月14日、全校児童を対象とした創立99周年開校記念朝会が行われ、1950年同校卒で、現在は生麦第一地区連合会会長の石川建治さんによる講演があった。

 当日は、児童による100周年実行委員会のお披露目もあり、壇上に立ったメンバーたちは「歴史に残る100周年にしたい」と意気込みを語った。

 99周年記念朝会は、来年度迎える創立100周年に向けての機運醸成を図るため、かつての生麦小学校について話を聞き、学校の歴史を学ぶことなどを目的に企画された。

 今年度、毎週1回のペースで歴代PTA会長のビデオメッセージを朝会時に流していたという同校。

 100周年のちょうど1年前となる記念日には、特別版として「子どもたちに生の声を聞かせたい」と、卒業生で学校とも縁の深い石川会長に講師として白羽の矢が立ったという。

子どもたちに語りかける石川会長

思い出を語れるよう100周年を自慢に

 父が生麦小学校2代目PTA会長でもあるという石川会長は、自身が1950年卒業だと明かしながら、戦争中、生麦のまちも半分は焼け野原になったなどと回顧。

 3カ所あったという映画館や、女学校などの話を交え、昔の生麦を振り返った。

 小学校時代に熱中した遊びについての話題では、ベーゴマやけん玉、メンコに竹馬といった昔遊びを紹介。

 「今はどんな遊びをしている?」と問いかけながら、「身近な道具や物を使い、自分たちで遊びを作っていた。大人になるうえで、大事な能力になるかもしれない」と話した。

 卒業20年後くらいにあった同窓会について語りながら、「小学校時代の思い出話を楽しんだ。皆さんもそのとき昔話ができるように、今から材料(思い出)を作るといい」と呼びかけた石川会長。

 創立100周年については「自分たちの思いを十分発揮して。友だち同士、どういう気持ちだったか思い出せるように。私たちはこういうことをやったと自慢できるようにがんばって」とエールを送った。

キックオフを飾った100周年実行委員会

計18人 歴史に残る会に向け、児童実行委員キックオフ

 “99歳”の誕生日を迎えた14日、児童による100周年記念実行委員会も立ち上がった。

 メンバーは立候補や推薦で選ばれた5年生8人、6年生10人の計18人。

 石川会長の講演後、体育館の壇上で自己紹介と決意を発表し、「地域の皆さんや学校のみんなと一緒に100周年を作りたい」「歴史に残るような会に」と語った。

 5月の大型連休明けから始動したという実行委員会。

 現在は1週間に3回のペースで話し合いを重ね、そのほかにも配布されているタブレット端末を使い、ネットワーク上で情報交換ができるように工夫する。

 今後は、まず100周年の柱となるスローガンを決め、記念のキャラクターなども検討していく予定だ。

全校児童に向け、100周年実行委員会に参加する児童の意気込みなどが語られた

後世に残るものを

 「90周年のことを調べたら、さまざまなことをやっていたが、今にあまり伝わっていない」とし、「100年の記念は後世に残したい」とメンバー。

 「航空写真を撮ったり、石川会長の話を聞き、昔遊びなども面白いと思った」と早くもアイデアがあふれている。

 実行副委員長を務める6年生の田邉采美さんは「みんなの前でのあいさつは緊張したが、これからスタートで楽しみ。100年に向けて実感がわいた」と充実した表情でコメント。

 実行委員長の小野寺茉子さんは「6年生なので来年はいられないことが残念」と正直な気持ちを吐露しながら、「5年生をはじめ全校のためにしっかりと道を作りたい」と話した。

 5年生の橋本桃花さんは「6年生の話を聞いて、6年生みたいになりたいと思った」とし、「100周年を迎える自覚がわいた」と真剣な眼差しを見せた。


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