小野町を歩き、見た学生たちの作品が楽しめる展示

 JR鶴見線の鶴見小野駅すぐにあるアートスペース・ONO POINT ART SPACEで4日、世界的デザイナーを輩出する桑沢デザイン研究所で学ぶ学生6人による展覧会「鶴見小野ウォーカー」が始まった。

 会期は11日㈰まで。10日、11日にはデザイン体験ができるワークショップ「プレゼントボックスをデザインしよう!」も行われる。

駅改札を抜けた目の前にあるお粥屋さんを正面にして右側にある入り口。1階は昼がカレー店、夜はカフェバーも楽しめる

会場はまちのアート拠点「ONO POINT ART SPACE」

 ONO POINT ART SPACEは、近年、同駅前にある鶴見小野町通り共栄会周辺で実施されているアートイベント「weTREES TSURUMIフェスティバル」など、地域のアートによるまちづくりに賛同し昨年10月にオープン。

 まちのアート拠点として活用が始まった場所だ。

鶴見区在住の現代美術家・原倫太郎さん企画

 展覧会は、weTREES TSURUMIフェスにも参加し、スペースの立ち上げにもかかわった区内在住の現代美術家・原倫太郎さんが、同研究所の非常勤講師でもあったことから企画したもの。

 有志学生を募り、集まった6人が、テーマからチラシデザインなど一から展覧会を作り、6人展として開催にいたった。

感じた“まち”作品に 「鶴見小野ウォーカー」

雑草で作った紙をベースにした安倍さんの作品

 学生らは実施にあたり小野町周辺を探索。「地域の人にも楽しんでもらいたい」との思いを込め、まちを題材とした「鶴見小野ウォーカー」というテーマを設定した。

 参加学生は「みんな鶴見小野に来たことがなく、歩いてイメージをふくらませるなかでテーマを決めた」とし、それぞれ授業の合間をぬって訪問を重ね、学生目線で感じた“まち”を作品にしたという。

 制作にあたり3回ほど周辺を散策したという安倍志緒里さんは、川沿いの芝生の上に並べられたテトラポッドに着目。

 「地元の人には当たり前の風景かもしれないが、普段水中にあるはずのテトラポッドが芝生の上にあるのが面白かった」とインスピレーションを受け、生えていた雑草を煮沸して作った紙を土台に作品を仕上げた。

デザインしたチラシを手に来場を呼びかける主催者メンバーら(写真左から、原さん、学生の中島さん、安倍さん、小野町通り共栄会の服部さん)

 鶴見は海や工業地帯というイメージだったという中島弥生子さんは「地域の方と一緒にチラシ配りをしたとき、地元への愛を感じた」と説明。

 実際にまちを歩き、地域の人とコミュニケーションを取ることで無機質だったイメージが変わったとし、まちの暖かさや調べた歴史などをモチーフに作品とした。

 会期中は、学生目線で作られた「まち」を題材にしたアート作品のほか、過去の作品も展示。学生たちによる個人雑誌・ZINEの販売もある。

 小野町通り共栄会の会長で、weTREES TSURUMI実行委員長でもある服部宏昭さんは「題材がまちというのが面白く、地元の人間にとっても新鮮でありがたい」と歓迎。

 企画した原さんは「学生たちに鶴見小野のまちがどう見えているか、地域の人たちにもぜひ楽しんでほしい」と入場を呼びかけている。

 桑沢デザイン研究所六人展「鶴見小野ウォーカー」は、6月11日㈰まで、平日12時〜16時、土日11時〜18時まで開催中。入場無料。

父の日のプレゼントにも最適 オリジナル箱づくり体験も

初日の4日に行われたワークショップの様子(写真提供)

「デザインすること」を体験できるワークショップ

 ワークショップ「プレゼントボックスをデザインしよう!」は、6月10日㈯と11日㈰の11時と13時30分に開催。原則事前申し込みだが、当日飛び込みでの受付も可。

 対象は未就学児から大人まで(未就学児は保護者同伴)。パッケージの観察やデザインの計画から、組み立てまでを体験できる。

 定員各日4人。参加費100円。問い合わせ・申し込みはtsurumionowalker@gmail.comへ。

【桑沢デザイン研究所六人展 鶴見小野ウォーカー】

日本初のデザイン専門学校・桑沢デザイン研究所で学ぶ学生6人による展覧会。▽企画/原倫太郎▽主催/ONO POINT ART SPACE▽協力/WeTT実行委員会、象の鼻テラス

■開催日時 6月4日㈰〜11日㈰ 平日12時〜16時 土日11時〜18時

■会場 ONO POINT ART SPACE (横浜市鶴見区下野谷3−88)※JR鶴見線「鶴見小野駅」下車すぐ

■問い合わせ  tsurumionowalker@gmail.com 公式ホームページ


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