3年ぶりに開催された道じゅねー。鶴見エイサー潮風が仲通りを練り歩いた

「地元のため」 鶴見エイサー潮風が主催

 地元エイサー団体として、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」にも出演した鶴見エイサー潮風(うすかじ)主催の「仲通り道じゅねー」が8月21日、仲通り商店街を会場に行われた。

 道じゅねーは、毎年旧盆の時期に行わる先祖供養のために道を練り歩く沖縄の伝統行事の一つ。鶴見エイサー潮風による道じゅねーは、コロナ禍で2年間中止となっていたが、今年で20回目を数える。

 1997年の鶴見区制70周年をきっかけに結成後、本格的な稽古を経て演舞曲などが増えたことから、「簡単に沖縄へ帰れない鶴見の人のため、ふるさとを思い出してほしい」といった思いを背景に、毎年道じゅねーを開催してきた。

 3年ぶりとなった今年は、コロナ禍を考慮し規模を縮小。例年、横浜鶴見沖縄県人会館前から横浜信用金庫潮田支店前までの仲通り約350mを練り歩いていたが、同会館から入船小学校側の土屋米穀前までのおよそ100mとし、演舞時間も1時間縮めた。

3年分の思いを込めた鶴見エイサー潮風の演舞

沿道のどよめきに感動 特別な仲通りでの演舞

 「おじいとおばあの遺影を手に道じゅねーを見ている姿を見たこともある」と代表の西村政昭さん。潮風にとっても仲通りでの演舞は特別な意味があると感じている。

 少しでも地元沖縄の雰囲気を、また沖縄芸能への関心をと始めた仲通り道じゅねー。開催できなかった2年間も開催に向けた準備は進めていたという。

 「今年こそなんとか実施したい」。さまざまな思いが込められた3年ぶりの本番。午後5時過ぎ、車両通行止めとなった仲通りの一角。スタートを合図するように大太鼓が鳴ると、沿道を埋めた観客が「おおー」とどよめいた。

 それを聞いた事務局の長谷川誠さんは、「待っていてくれたと感動した」と語り、一打一打に思いを込めて演舞したと振り返る。また、副代表の小野有貴さんはどよめきに手が震えるほど嬉しかったと明かし、「大きく宣伝をしなかったので訪れる人は少ないだろうと不安もあったが、たくさんの人が来てくれて有り難かった」と微笑んだ。

 西村さんは「町内会、県人会など多数の協力を得て、第20回仲通り道じゅねーを無事開催できたこと、御礼申し上げる」と謝意を示したうえ、「本番前後の『楽しみにしているよ』『エイサーが見られてよかった』という声がけがとても嬉しく、今後も続けていきたいと改めて思った。来年はこれまでの規模に戻し、また、今年得られた経験を活かして開催できるよう、演舞に磨きをかけていきたい」と意気込みを語った。

手踊りは琉舞・鶴之会が参加。ちむどんどん横浜鶴見プロジェクトのうちわとともに、エイサーの演舞に華を添えた


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