シャッターや壁、周辺の16カ所に描かれている(むすび家)

アート媒介に地域活性

 JR鶴見線「鶴見小野」駅がある小野町エリアで、アートによるまちづくりを手がける「weTREES TSURUMIプロジェクト実行委員会」(以下WeTT実行委員会)。

 今年度進めてきた新たな取組となる「鶴見パブリックアートプロジェクト」が、いよいよ明日10月26日㈯から、スタートする。

アーティスト全18組が16カ所に

 WeTT実行委員会は、有志の地域住民とアーティストが融合した団体。

 今回のプロジェクトでは、同駅前にある商店街「小野町通り共栄会」の加盟店のほか、個人宅から小学校、行政施設まで、街なかの「壁」や「シャッター」をキャンバスに、海外からの招待を含め、全18組のアーティストが16カ所に壁画を完成させた。

公募で集まった「壁」に描かれた絵(伊勢屋酒店)

壁画巡るツアー、商店街でハロウィンも同時開催

 オープニングとなる明日26日㈯は、16時〜壁画を巡るツアーとオープニングレセプションを開催。ツアーは16時、レセプションは18時30分にいずれも伊勢屋酒店に集合となっている。

 また、オープニングに先駆け、小野町第4公園ではキッチンカーなどが出店する「マルシェ&ワークショップ」(11時〜16時)を企画。全3回のワークショップがあるほか、同日開催として、15時〜18時まで、小野町通り共栄会主催のハロウィンイベントも行われる。

本格的なハロウィンを楽しむ人の姿も多い同日開催の小野町共栄会ハロウィン(写真は昨年)

 

壁とアーティストをマッチング

 鶴見パブリックアートプロジェクトは、壁画を通じた地域の活性化などを目的に、今夏、壁面やアーティストの募集から始まった。

 その後、参加アーティストと壁のオーナーによるマッチングが行われ、10月から各所で制作がスタート。

 このほど16カ所で作品が完成し、10月26日㈯〜11月10日㈰までの会期で実施される(施設内のため見学できない壁などあり)。

下野谷小児童も特別参加

 開幕を控えた10月18日、同プロジェクトの作品の一つが描かれる下野谷小学校で、“小さなアーティスト”たちによる壁画の制作もあった。

 プロジェクトに特別参加となった下野谷小学校では今回、校庭脇のプールの壁面と下野谷小学校前交差点沿いの校舎一部の壁面の2カ所を壁画用に提供。

 招待アーティストの一人、原游さんが手がけた海と森をテーマにしたデザインをもとに、4年生児童約70人が、何層かに分けて切り抜いた下絵にスプレーで色をつけて作るステンシルアートに挑戦した。

授業でアート学び、校舎に壁画

 「イエローサブマリン・フィッシュの森と航海〜森と海に動くものを描こう〜」というテーマで描かれた壁画の制作にあたっては、原さんらが下描きから切り抜き方など、2回の授業でステンシルアートを児童たちに伝授。

 最終日となった18日、児童たちは熱帯魚やヒトデ、へび、うさぎなど、それぞれの壁画に合う思い思いの生き物の絵を持ち寄り、実行委員会メンバーらのサポートのもと、絵を好きな場所に配置していった。

 参加した子どもたちは「イメージ通りにできた。自分たちが作った絵がずっと残るのは嬉しい」「難しかったけど、自分たちの壁画で地域が盛り上がれば」と話した。

 今回の壁画の場所は以下の画像の通り。観覧は無料。問い合わせはWeTT実行委員会e-mail:ts-info@wetrees.netへ。

児童らの手により完成した下野谷小学校の壁画

 


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