趣旨に賛同した個人所有の車のタイヤに描かれたハート

鶴見エナジーポイントプロジェクト

 壁やタイヤ、店先を飾る星にハートにダイヤ――今夏、JR鶴見線「鶴見小野」駅周辺のまちかどに、アートが広がっている。
 広がるデザインは、鶴見エナジーポイントプロジェクトと題したアート企画によるものだ。

 企画は2019年から鶴見小野周辺でアートをコンテンツに地域活性化を目指すweTREES TSURUMIプロジェクト実行委員会(以下WeTT実行委員会)が主催。

 WeTT実行委員会が昨年から拠点として設置した鶴見小野駅そばの「ONO POINT ART SPACE」の3回目の企画展となっている。

コンビ「ししょーと弟子ギャル」の作品

 普段よく目にする印刷物の色として使用されるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック※キープレート)を三次元のまちのなかに描くという実験的企画を手がけるのは、アーティスト・高橋信雅氏とグラフィックデザイナー・大越あすか氏によるコンビ「ししょーと弟子ギャル」。
 まちなかに描くCMYKのデザインは、弟子ギャルこと大越あすかさんが、写真やイラスト等を表現する際に通常使用されるドット(丸)の代わりとして提唱するイエローの星型、ピンクのハート型、水色のダイヤ型、黒色の丸をモチーフとしている。

今回の企画でアート・デザインを手がける「ししょーと弟子ギャル」のししょーこと高橋信雅さん(左)と弟子ギャルこと大越あすかさん(右)。中央はWeTT実行委員会の代表で、小野町通り共栄会の会長を務める服部宏昭さん(写真=提供/撮影Takuya Unuma)

アートのまちづくりの拠点となっているONO POINT ART SPACEの入り口に描かれたハート。アスファルトを磨いたうえに施された

いつもと少し違う発見がエネルギーに

 鶴見小野駅すぐの商店街「小野町通り共栄会」の加盟店舗など、任意で趣旨に賛同した個人や企業の所有する施設の壁、モノなどに描かれている星やハート。
 「普段の生活の中に、ちょっとした違いを見つける。住んでいる人ほどわかる。まちなかの変化を見つけると少し楽しく、元気になるはず。まちにエネルギーを足していく形」と高橋さんは説明する。

7月初旬に開かれた勉強会の様子

まちの賛同を得ながら、アートを接点に

 7月初旬からスタートした企画は、高橋さんと大越さんが実際にまちを回りながら準備を進めてきた。
 期間中も描かれる“エナジーポイント”は増えているが、「賛同を得た場所で最初にするのは掃除。きれいにしてからエネルギーを注入する」と高橋さん。
 「勝手に来て、勝手にやるのではなく、ちゃんと受け入れられたうえでやらないと意味がない」とアートによるまちづくりのハブ(接続点)になる企画として展開している。

ONO POINT ART SPACEで準備を進める高橋さん(右)と大越さん(写真=提供/撮影Takuya Unuma)

まちなかに二次元のデザインを施すイメージ。会期中、進行形でデザインが拡大している

8月19日まで、デザイン拡大中

 鶴見力点計画(鶴見エナジーポイントプロジェクト)は、8月19日までONO POINT ART SPACEを拠点に開催中(日・月休館)。
 まちなかのデザインはいつでも見学可能。場所は、大越さん作成のGoogle マップ(こちら)を参照。詳細はONO POINT ART SPACEホームページ(こちら)。

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