市会最終7番手はわずか28票差

 第20回統一地方選挙の神奈川県議会議員選挙と横浜市会議員選挙の投開票が4月9日に行われた。

 鶴見区では、神奈川県議選で川崎修平氏(44、自民)が3期連続、横浜市議選では井上桜氏(58、無所属)がトップ当選。

 県会、市会とも立憲民主党が議席を守れず、市会では新人の柏原傑氏(37、維新)が初当選を果たし、県会では木佐木忠晶氏(38・共産)が返り咲いた。

 前回同様、3人を擁立した市会・自民党は、最終7番手に渡邊忠則氏(58)が滑り込み3席を死守。次点・有村俊彦氏(53、立民)との差はわずか28票だった。

当選確実の報にふれ、だるまの目入れを行う川崎氏

県議選 共産・木佐木氏が3席目の激戦制し返り咲き

 定数3に対し、現職3人、元職2人という経験者ぞろいの顔ぶれとなった県議選。

 トップ当選を果たした川崎氏は、1期目から継続して訴える防災・減災の政策などを柱に戦い、3万996票を獲得。2番手におよそ1万4千票差をつける圧勝となった。

 日付が変わるころに当選確実の報に触れた川崎氏は「仲間が仲間を呼び、チーム一丸となっての勝利」と集まった支援者らに謝意を示し、「県民から厳しい目が向けられているということ。高い緊張感をもって働いていく」と決意を語った。

 2位通過は鈴木秀志氏(70、公明)で1万7042票。鶴見区県会で現職最多となる5期20年の実績を訴えながら着実に票を固め、6期目を決めた。鈴木氏は「信頼を頂き有り難い。6期目も全力で実績づくりにまい進していく」と意気込んだ。

 前回233票差という僅差で県内最激戦となった3番手争い。今回も現職・爲谷義隆氏(49、立民)と、いずれも元職の榎並正剛氏(54、維新)、共産・木佐木氏の三つ巴のデッドヒートとなる中、前回次点に泣いた木佐木氏が1万5740票まで伸ばし雪辱。

 ともに1万4千票あまりを集めた爲谷氏、榎並氏と明暗をわけた。

 返り咲いた木佐木氏は「自身の不妊治療や奨学金返済、被爆3世という実体験をもとに、命、学び、平和を軸に訴えた。それをしっかりと形にしていきたい」とやる気をのぞかせた。

トップ当選を果たし、支援者とともに喜びをわかちあう井上氏=写真中央

市議選 維新・柏原氏が議席奪取

 現職7人、元職1人、新人2人の10人で7議席を争った市議選。

 鶴見区選出で最多期数を誇る井上氏が、1万4989票でトップ通過。自身、「過去最高得票」で8選を果たした。

 井上氏は選挙戦を振り返り、「SNSや壁新聞を見たという新しい応援の声を聞いた」とし、「(横浜市が誘致を見送った)IRカジノや新型コロナの影響で市政に興味を持ち、何かおかしいと思う人が増えたのではないか」と分析。

 「市議会は本来、生活に一番身近なところ。市民の皆さんの『こうしたい』という議論が、はね返ってくる実感が持てるようにしていきたい」と意欲を示した。

 尾崎太氏(57、公明)は、支持層をしっかりとまとめ4回目の当選。「議員はふれあいが重要だが、まだまだコロナも考慮し難しかった」としたうえで、「期数を重ね、積み上げてきた実績を訴えることができた。政治は結果、実現力。市の財政はますます厳しくなるが、限られた中で責任ある議論をつくしていく」と決意を新たにした。

 山田一誠氏(46、自民)は、「こどもまんなか」を掲げて子育て世代へ支持層を広げ、前回の初当選から2千票あまりを伸ばして2期目。山田氏は「子どもが笑顔になるには、周りの大人が余裕をもち、笑顔でなければならない。全ての世代がいきいきと暮らせる横浜・鶴見になるように責任を果たしていく」と意気込みを語った。

 古谷靖彦氏(51、共産)は、3期で積み重ねた市民相談件数などを掲げ4選を決め、「県としっかりタッグを組み、地方議員の役割を示していく。これからの4年間、鶴見で自民党に対抗できるという足場を作りたい」と目標を語った。

 新人の柏原氏は、市会現党派ではない新たな受け皿として票を集め、2度目の挑戦で初当選。「変化や若い人への期待を感じた」と振り返りつつ、「期待の票でしかない。勘違いせず、ここから何をやるか。議会の中でしっかりと形にしていきたい」と熱をこめた。

 東美智代氏(57、自民)は保守層、女性層などに訴え、2期目の議席を確保。「1期目にやりきれなかったことも多い。まいた種を花にできるように取り組んでいく」とし、政策を継続し実現していく姿勢を見せた。

 市議選、最後の椅子を勝ち取ったのは、渡邊忠則氏。現職同士の争いとなった最終7席目で、有村氏を退けた。

 前回最後の議席に滑り込んだ有村氏は4選ならず。28票という僅差の次点で涙を飲んだ。

 渡邊氏は「皆さんの支援のおかげ。しっかりと鶴見のために活動する。これまで通り実直に仕事をこなし、地域の皆さんと信頼を作っていく」と5期目への決意を述べた。

 2回目のチャレンジだった青島正晴氏(67、無所属)は支持を広げられず、元職として戦った足立秀樹氏(52、国民)はおよばなかった。

投票率 前回より微増

 横浜市全体の投票率は、県議選が42.89%で前回比0.77ポイント、市議選が42.83%で前回比0.35ポイントともに微増した。

 鶴見区の投票率は、県議選が40.64%で前回比0.18ポイント、市議選が40.78%で0.17ポイントともに上回ったものの、市内18区でみると、県議選が無投票の3区を除き15区中13番目、市議選は18区中15番目だった。

県知事選は黒岩氏が4選

 現職の黒岩祐治氏(68、無所属)、ともに新人の岸牧子氏(66、無所属)、大津綾香氏(30、政女48)、加藤健一郎氏(73、無所属)の4人が争った神奈川県知事選は、現職の実績を掲げた黒岩氏が193万票を獲得し圧勝。

 鶴見区での得票数は5万8267票だった。


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