救急出場 「異常な増え方」

 昨年一年間の横浜市内火災・救急概況の速報値がまとまり、鶴見区内では火災が52件で前年比2件減となったものの、救急出場件数は3,069件増の1万8,193件で過去最多となったことがわかった。

 救急出場件数は、横浜市内全体で前年から約4万件増の24万件を超え、搬送人員とともに過去最多を記録。

 全18区で前年より増加し、鶴見区は港北区(1万9614件)に次ぎ、市内2番目に多くなった。

 鶴見消防署は「異常と言っていいほど増えている」としたうえで、「コロナはひとつの要因としてあるが、すべての項目で増加しており、主たる要因が分析しきれていない状況」と危機感を募らせる。

 1日の出場件数は前年から9件増の50件となり、28分52秒に1件の割合で出場。前年よりも約6分短くなっている。鶴見消防署は今後も原因分析を続け、「効果的な対策を打てるように努めたい」と話す。

火災 10年平均ワーストも減少傾向 「区民の意識が向上」

 一方、昨年一年間の鶴見区内の火災発生件数は52件。市内では戸塚区(63件)、港北区(61件)、中区(53件)に次ぐ4番目の多さで、最少は瀬谷区の15件となった。

 鶴見区内を見てみると、過去10年平均では75件で引き続き市内ワーストとなっているものの、平均値は減少傾向にあり、「区民の皆さんの防火意識が向上し、火災が減少したものと思われる」と鶴見消防署は分析する。

啓発に効果も 冬本番に注意促す

 火災種別では建物火災がマイナス10件と大幅減。鶴見消防署によると、一昨年から住宅火災減少に向け、特に失火と呼ばれる「タバコ」と「コンロ」が原因となる火災の予防広報に重点を置いてきたとし、「町内会の掲示板や新聞折込など、啓発の効果が出た」と話す。

 また、鶴見消防署は寒さが厳しくなる季節に触れ、「使用する火気の周囲は整理整頓を。依然としてタバコが原因となる火災は多いので、寝タバコをしない、消火の際は水を使うなど予防を」と呼びかける。


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