今日の「鶴見な人」vol.3
長谷川 凌さん(プロバスケットボール選手)
立ち、拓くバスケ道
長谷川 凌さん 馬場在住 32歳
負けられない戦い
10月1日に開幕以降、敵地で初戦こそ落としたものの、10月15日、3連勝で迎える横浜武道館でのホーム開幕戦。
「名の通り家と同じ。毎試合そうだが、余計に負けられない」。ホームの重要性を説く声は力強い。「見に来てくれる人に楽しんでもらえるゲームにしたい」。意気込みは十分だ。
諦めきれなかった好きなこと
社会人バスケなどでも活躍した両親のもとに生まれた。「気づいたらバスケットボールで遊んでいました」。物心つくころから連れられていった体育館。体の半分ほどのボールがおもちゃだった。
父の転勤で鶴見に越したのは幼稚園のとき。バスケットチームに入ったのは駒岡小学校に通い始めてから。今につながる人生のスタートだった。
広島に移った中学時代も、都内の高校の門を叩いた高校時代もバスケットに明け暮れた。
専修大学での4年間も打ち込んだが、その先の誘いは来なかった。「やりたいことがあったので、スパッと切り替えた」。そのつもりだった。
バスケットと同じく好きだったゲームの道に進もうと、入学を決めた専門学校。「入学金も払って、寸前だったんですよ」
諦めたもう一つの道。一歩手前で「練習生で」と声がかかった。全員がつかめるわけではないチャンス。再び、バスケットボールをつかんだ。
「ずっと続けていたことだから、未練があったんですかね」。当時の気持ちを振り返る。
「やるからには一生懸命に」。1年間の練習生を経て、正式にメンバーとなった後も所属チームの関連企業で働きながら汗を流した。
「体育館の受付、プールの監視員、いろいろなことを経験させてもらった。感謝しかない」。成し得たかったバスケ1本での自立。「仕事をしたあとの練習はやっぱりきつかった」。昨年、横浜への本拠地移転をきっかけに退職した。
「バスケ1本で自立」 創成期にいる自負
昨シーズンからバスケ漬けの毎日を送るが、休日はゲームで息を抜く。「インドア。みんな焼けているけど、こんなに白い」と腕を見せて自嘲する。
シューティングゲーム「エーペックス」が好きで、コロナ禍、実は「配信」も始めた本格派。「実況もやってみたい。ゲーム関係の仕事も待っています」と満面の笑みを見せる。
今年、旧東京エクセレンス時代からチーム所属は10年目を迎えた。スタッフを入れても最古参のメンバーの一人だ。
「早く追い出せって、若い選手には言っているんですよ」。冗談めかして笑う。
「Bリーグ創成期の土台を作ってきた世代。夢があるスポーツになってほしい」と願う。だからこそ、バスケット1本で自立する姿を見せたい。
「練習がきついときは、いつだってやめたいと思ってますけど」。茶目っ気を見せながら、「でも今、残っていることがすべて」とバスケット愛を表現する。
「体が動くまでは続ける」。選んだ道。その足で、歩みを続ける。
【横浜エクセレンス(プロバスケットBリーグ・B3リーグ所属)】…2021−22シーズンに東京からホームタウンを移転。旧東京エクセレンス時代、18−19シーズンにB3リーグを制覇している。
■ホームアリーナ 横浜武道館(横浜市中区翁町) ■ホーム開幕戦(対金沢武士団)10月15日18時〜、16日14時〜
■チーム詳細は公式ホームページへ