リニューアルしたカフェの入口

新型コロナ経た施設を取材

 年間を通じていちご摘み体験が楽しめる「横浜ストロベリーパーク」=横浜市鶴見区大黒町11−1=のカフェが、このほど「週末イタリアンカフェ」をコンセプトにリニューアルした。

 「東京」から「横浜」となり約2年。新しくなったカフェとコロナ禍を経た施設を取材した。

旧トゥイニーヨコハマの施設を活用した横浜ストロベリーパーク

「東京ストロベリーパーク」は2021年に閉鎖

 2018年4月、東京電力フュエル&パワー㈱(現JERA)運営のエコファーム事業としてオープンした「東京ストロベリーパーク」。

 横浜火力発電所施設内で電気の体験施設として使われていた「トゥイニー・ヨコハマ」を改修して開かれた形だった。

 オープン当初は3,000㎡のハウスでのいちご狩りのほか、ブッフェ形式のレストランやお菓子作りのできるスタジオキッチンなどを併設。

 「いちご」をテーマにした体験施設として人気を博したが、新型コロナの発生以降、密を避けられない業態として休業を余儀なくされ、2021年に閉鎖していた。

オープン当初から変わらない3,000㎡のいちごハウス。現在は食べ放題はなく、摘み取り方式となっている

地域に根ざし2年前に再出発

 「横浜」に名を変えたのは、2022年4月。JERAの特例子会社「㈱JERAミライフル」が運営を引き継ぎ、「横浜ストロベリーパーク」として再スタートを切った。

 同社によると、「地域に根ざしたい」という意味合いを込め、所在地である「横浜」と名称を変更したという。

 再スタート後の施設では、いちご摘み体験、カフェのみ営業。

 この2年間、カフェは別業者に委託する形で運営しており、今春、JERAミライフルが受け継ぎリニューアルした。

 合わせて花の栽培にも着手し、新たに栽培用のスペースも設置。現在は火力発電所内の花壇用となるが、将来的には外部販売用にも栽培していきたいとしている。

今春稼働を開始した花栽培の事業で使用する作業用ハウス(奥)と花栽培用の露地栽培エリア(手前)

花は同発電所内の花壇整備に使われている

「いちご」メニューがずらり イタリアンカフェ

 新装したカフェは、50席の店内はそのままに、「週末イタリアンカフェ」としてリニューアル。

 いちごを使ったメニューがずらりと並び、5月の大型連休中は想定の3倍ほどの利用者で賑わったという。

明るい陽光が差す店内。テラス席も用意される

 人気はイタリアンイチゴパフェ(1800円)とイチゴサンド(1200円)。施設内で栽培している4品種のうち、そのときに収穫できるものをふんだんに使った一品となっている。

 また、鶴見区内の店舗とも連携し、コンビーフサンドで使用するパンは、江ケ崎町と本町通に店舗を構える「麦の家」(ばくのいえ)のパンを使用。

 地域に根ざす営業を進めている。

ある日のメニュー表

障がい者の就労施設 専門家とともにサービス提供

 運営するJERAミライフルは、障がい者の就労機会創出を目的とし、2021年に設立されたJERAが100%出資する特例子会社。

 実は「東京」から「横浜」へリニューアルした際、障がいのある人の働く場所としても生まれ変わっていた。

 リニューアル当初、手始めに農業の専門家指導のもと、いちご栽培に従事。業務拡大を進めるなか、今春からカフェ運営や発電所の花壇管理業務に着手することとなった。

 カフェでは、パティシエとともにスタッフ業務にあたり、焼き菓子の製作なども行っているという。

 ㈱JERAミライフル横浜ストロベリーパーク担当の山下美紀さんは「いちごはひと粒ずつ丁寧に、カフェも専門家と一緒に作り上げている。施設として、カフェとして、楽しんでもらえれば」と話す。

農業の専門家指導のもと、障がい者がひと粒ずつ丁寧に作る「いちご」。現在は4品種が栽培されている

営業は土日祝日のみ

 施設では現在、いちご摘み体験(ハウス内での食べ放題は無し)とカフェが楽しめる。いずれも土日祝日のみの営業だ。

 いちご摘みは、「1年中、多くの人に楽しんでもらう」というコンセプトのため、植え替えや品質維持等のバランスを考慮し、営業日や人数を限定。

 1回あたり定員20人程度で、1日4回(10時30分〜、12時30分〜、13時30分〜、14時30分〜)の完全予約制となっている。

 カフェは予約なしで利用可能。営業時間は10時〜16時(10時〜11時までドリンクのみ)まで。

 いちご摘みの予約・問い合わせは、予約専用ページ(こちら)。インスタグラム(@yokohama.strawberry.park)では情報発信も行っている。

摘んだいちごを食べられる飲食スペース。ハウス横の屋外でも飲食可能となっている

【横浜ストロベリーパーク】

■住所:横浜市鶴見区大黒町11−1 JERA横浜火力発電所構内

■交通アクセス

電車:JR鶴見駅東口または京急鶴見駅・東口バスターミナルから

横浜市営バス17系統(6番のりば)または181系統(7番のりば)より「横浜火力発電所前」バス停下車徒歩すぐ

車:駐車場あり(102台)

■いちご摘み

営業:土日祝日 10時30分〜、12時30分〜、13時30分〜、14時30分〜(完全予約制)※約300グラムの摘み取り体験

定員:1回20人程度

料金:1月〜5月=2,000円、6月〜12月=2,500円

予約・問い合わせ:専用ページ⇒こちら

■カフェ

営業:土日祝日10時〜16時(10時〜11時までドリンクのみ)

予約:不要


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