本場スペイン・バレンシアで行われるパエリア世界大会の出場を目指し、準備を進めるスペイン料理店が鶴見区内にある。

 JR鶴見駅西口すぐの「PEKOPEKO」=塩田寛樹オーナー/横浜市鶴見区豊岡町18−9−104=だ。まずは日本代表となるべく、6月2日、大阪・高槻市で開かれる選考大会制覇に向け練習に励んでいる。

JR鶴見駅西口からすぐにあるPEKOPEKO

発祥の地“バレンシア流”で競う

 「PEKOPEKO」が出場を目指すのは、スペイン・バレンシア地方で開催されるスエカ国際パエリャコンクール。

 NPO法人全日本パエリア連盟-PaellaMania-主催「PaellaSummit2024」で実施される日本代表選考大会で優勝すると出場権が得られる。

 魚介類のイメージが強いパエリアだが、発祥となるバレンシアでは、農作業の合間に外で作るバーベキュー料理として、肉や豆などを使うのが伝統的とされる。

 大会では、そのバレンシアの郷土料理となる元祖パエリアの味や出来栄えを競う。

 用意される食材や薪火を使用するなどの調理環境はすべて同じという条件のもとで実施されるのが特徴だ。

70cm大のフライパンで作られるパエリア

2連覇へ試行錯誤

 実は昨年、PEKOPEKOは同大会に初出場で初優勝。国際大会にも出場し、今年はディフェンディングチャンピオンとして大会に臨む。

 「昨年はチャレンジャーで怖いものもなかった。今年は2連覇もかかり、色々と考えてしまう部分もある」とオーナーシェフの塩田さん。

 正解がない料理の世界で、試行錯誤を続けている。

店に飾られているトロフィー。今年の大会で返還するという

生麦地区センターで練習

 4月7日に行われた今年1回目の練習。生麦地区センターに塩田さんと、今回からコンビを組むスタッフの小林里璃佳さんの姿があった。

 薪火を使える場所が限られているなか、同地区センターからの打診を受け、昨年から練習場所の一つとして活用しているという。

役割分担しながら練習した2人

 練習で2人は意見を交わしつつ、食材のカットから具材を炒めて煮込み、米を投入して炊くまでテンポよく進め、実際の制限時間通りに完成させた。

 出来上がったパエリアは、強火となるため火加減が難しい薪火を駆使し、全体にまんべんなくおこげができる仕上がりに。「最初にしては良い出来」と塩田さんは満足した様子を見せた。

当日をシミュレーションしながら話し合う塩田さん(右)と小林さん(左)

狙うは優勝、そして世界へ

 今年の大会には全国から19チームが参加予定。塩田さんは、野外での実践練習は残り2回ほどとしつつ、「昨年のスペインでの経験も生かしつつ、自分らしいパエリアを作って優勝したい」と意気込む。

 「PaellaSummit2024」は6月1日と2日に大阪府高槻市「安満遺跡公園」で開催され、日本代表選考大会のほか、能登半島地震復興支援の大鍋チャリティーパエリアや各種グルメ屋台の出店、フラメンコショーなどが予定されている。イベントでは現在、ボランティアも募集している。

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