横浜市鶴見区内にオープンしたお店を編集部が独断と偏見で紹介するコーナー。

 今日は特別編として、鶴見中央にあるリニューアル開店前のベーカリー・エスプランに潜入。9月14日のプレオープン前に、新装の商品や店内をちょっとだけ紹介する。

装い新たな店頭

江戸から続く「覇王樹茶屋」と融合リニューアル

 京急鶴見駅すぐの鶴見銀座商店街内にあるベーカリー・エスプラン。一日の最高売上個数が2,200個という珈琲あんぱんが有名なパン屋だが、始まりは江戸時代までさかのぼる老舗中の老舗。覇王樹茶屋、読みは「サボテン」。1679年(延宝7年)、東海道・鶴見村は川崎と神奈川に挟まれた「間の宿」の茶屋に端を発する。

 その歴史を受け継ぐのは12代目の塩田悠樹さん。「紡いできた歴史がある。これまで来てくれた方にも、新しい方にも愛されるお店に」。人気店といえど新型コロナで客数は減少、その上で小麦に油と軒並み高騰する原材料費など向かい風が続く中、「エスプランとしても70年の節目。原点に戻りチャレンジを」とリニューアルを決めたという。

わくわくする“宝箱” ショーケースでの対面販売に

 大きく変わった店内。これまでのようにセルフでトレイに乗せてレジに運ぶスタイルではなく、洋菓子店のようにショーケースでの対面販売となる。

先行オープンとなる14日には、どんなパンが並ぶか楽しみだ

 対面販売は、コロナ禍の衛生面への配慮、直接スタッフとの会話ができるようにと考えた。「このパンはどう違うとか、プライスカードに書くだけではわからない部分も聞くことができる」とメリットを説明する塩田さん。

 頼むまでの待ち時間は、商品に番号をふったメニュー表を作成するなどし、ショーケースを見なくても選べるように工夫する。

 さらに、茶屋を意識した店内には、縁側のようなベンチ型と、小上がりのイートインスペースを完備。コロナ禍もあり、座席数は全体で8人くらいまでとなる。茶屋だけにいずれも畳を敷くが、アレルギー対策や汚れを気にしなくてもいいようにと、ビニール畳を採用している。

オリジナル新メニュー「ごはんパン」、神奈川県初導入という「抹茶マシン」も

 気になる商品は、選りすぐりの60種類ほどがケースに並ぶ予定。

 そして、リニューアルに合わせて開発されたのが、善シリーズと名付けた新商品「ごはんパン」。米粉ではなく、炊いたご飯を使用。小麦粉と1対1として米麹などを混ぜている。

 天然酵母のパンで発酵食品でもあり、もちろん添加物は一切なし。ご飯ならでは、飽きが来ず、クセのない味が特徴。おかずなら何でも合うという優等生なパンだ。

 善シリーズは、プレーンの一人前「おむすび」、おむすびよりも大きい「米俵」、初代の名を冠したミルク餡入りの「作兵衛」の3種類を用意している。

 「茶屋として、お茶を出したい」。歴史を汲み、新装した店舗ではマシンから入れる「抹茶」も提供する。

 一方で店内のオペレーションでも提供できるものが簡単には見つからず、難航する中で探し当てたのが、「空禅抹茶」。日本人が抹茶ブームのアメリカで展開したマシンは、昨年、日本にも逆輸入の形で上陸したものだった。茶葉からの挽きたてで、国産オーガニックの抹茶リーフを使用。香り高い一杯が楽しめるほか、エスプランでは抹茶ラテや茶葉を使ったパンも新たに提供される。

 1カ月半ほどの休業を経て、いよいよリニューアルオープンとなるエスプラン。わくわくと美味しさがつまった“現代の茶屋”の全貌に期待が高まる。

ベーカリー・エスプラン

■住所 横浜市鶴見区鶴見中央4−1−7(Google地図Esplan

■9月14日先行オープン 9時〜16時  9月15日新装オープン 9時〜17時※以降通常営業

■定休日 日曜日、月曜日

■問い合わせ 045−501−2147 ホームページ  Facebook  Instagram


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