地域発信型映画『なんでかね〜鶴見』完成 沖縄国際映画祭へ “鶴見凱旋上映”は5月30日に

作品のメインビジュアル(写真提供=RiverStone)
鶴見に根付く沖縄文化を描く映画作品『「なんでかね〜鶴見」〜ガーエーにはまだ早い〜』の完成披露試写会が4月7日、鶴見沖縄県人会館で開かれ、関係者やマスコミ、クラウドファンディングの返礼招待者らが“本邦初公開”を楽しんだ。
同作品は4月15日と16日に沖縄県で開催される「島ぜんぶでおーきな祭〜第15回沖縄国際映画祭〜」で公開上映される。
鶴見区での“凱旋上映”は5月30日、鶴見区民文化センターサルビアホールで予定されており、4月10日からチケットが販売されている。

上映会であいさつする渡辺熱監督
『だからよ〜』から続く第2弾
『なんでかね〜鶴見』は、沖縄国際映画祭のプログラムの一つ、地域発信型映画として制作されたもの。
2019年、全編鶴見ロケで撮影された『だからよ〜鶴見』に続く第2弾。前作から役柄なども引き継いでいる。
物語のテーマは「エイサー」。先祖供養のための伝統行事で、沖縄出身者の多い鶴見区でも例年8月、仲通り商店街周辺でエイサーを踊りながら練り歩く「道じゅねー」が行われている。
今作『「なんでかね〜鶴見」〜ガーエーにはまだ早い〜』は、大正時代の出稼ぎからコミュニティを形成し、文化として根付いた「鶴見の沖縄」を背景に、住む人や土地の素晴らしさを人情喜劇として表現した作品。
沖縄から鶴見に上京した主人公が、鶴見に住む沖縄や南米出身者らとかかわりながら、夢や生き方を見つけ成長していく姿などを描いている。
- お笑いコンビ・ハンジロウの2人と主演の比嘉さん(写真右、提供=RiverStone)
- 沖縄市ロケのシーン(写真提供=RiverStone)
エイサー本場・沖縄市とも協力
ガーエーは、エイサー団体同士が道じゅねーで鉢合わせた際、ペースやリズムが狂わないように踊り合うエイサーでの戦い。
作品のクライマックスでは、鶴見のまちなかで本場・園田青年会と鶴見エイサー潮風がエイサーを披露する場面もある。
- 鶴見エイサー潮風と園田青年会が鶴見のまちで対峙するクライマックスのワンシーン(写真提供=RiverStone)
- NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で歌子の師匠役を演じた大工哲弘さん(左)も出演(写真提供=RiverStone)
- 前作『だからよ〜鶴見』で主演を務めたガレッジセール・川田広樹さん。前作同様の役柄で作品を盛り上げる(写真提供=RiverStone)
主演はオーディションで選ばれたモデルの比嘉秀海さん。前作からお笑いコンビ・ガレッジセールの川田広樹さん、女性デュオ・いーどぅしのかーなーさん、なみなみさん、MAXのREINAさんらが出演。
NHK連続テレビ小説ちむどんどんにも出演した八重山民謡の第一人者・大工哲弘さんや、お笑いコンビ・ハンジロウの2人などもキャストとして名を連ねている。
今回はエイサーがテーマということもあり、沖縄県内でも盛んと言われる沖縄市と協力。現地ロケのほか、エイサー団体・園田青年会も撮影に参加した。

初の試写会を終え、映画をPRする監督、キャストら(写真右から、渡辺熱監督、かーなーさん、比嘉秀海さん、野村拓哉プロデューサー)
沖縄より沖縄、「鶴見」を知って
沖縄国際映画祭出品に先駆けて開かれた7日の試写会では、本編約113分をノーカットで上映。出演者らも駆けつけ、完成後初めての公開となった。
上映後、主演を務めた比嘉秀海さんは「心温まる作品になったと思う。スタッフやキャストの皆さんに引き立ててもらえた」とあいさつ。
鶴見エイサー潮風をイメージした映画テーマ曲を作ったヒロイン役のかーなーさんは「懐かしく沖縄よりも沖縄なまち」と評しながら、「エイサーといった伝統が残る鶴見というまちを知ってほしい」と話した。
鶴見“凱旋上映”は5月30日
鶴見公開上映会は、5月30日、鶴見区民文化センターサルビアホールで開催。14時〜と19時〜の2回上映で、出演者らによる舞台挨拶もある。
チケットは2000円、高校生以下1500円。詳細は公式サイトへ(こちら)。