鶴見伝統の沖縄角力 県外唯一の大会 神奈川県警の白本周太郎さんが初優勝
入船公園で7月7日、沖縄県の伝統競技「沖縄角力」(おきなわすもう)の大会が実施され、腕自慢の32人が手に汗にぎる熱戦を繰り広げた。
78回目の歴史 鶴見沖縄県人会ら運営
沖縄角力は、通常の大相撲とは異なり、柔道着のような上着を着用し、互いの帯をつかんだ状態から試合を始めるという琉球王朝時代から行われている島人(しまんちゅ)の伝統競技。
おきつる角力大会と名付けられた大会は、沖縄県外では唯一続いている鶴見区の伝統行事で、(一財)おきつる協会が主催。同協会や横浜鶴見沖縄県人会らが運営し、今年で78回目という歴史深い大会となっている。
腕自慢の32人による熱戦
当日は、会場となる入船公園自由広場に特設土俵を設置。本大会前には、子どもたちによる体験角力もあり、かわいい取組から大人顔負けの戦いで会場をわかせた。
大会には沖縄角力が盛んな久米島からの招待選手なども含め、腕に覚えのある猛者たち32人が出場。
選手たちは、高橋唯吉実行委員長の「元気にクリーンに戦って」という開会あいさつに応えるように、白熱した試合を展開した。
高校生が“金星” 前年王者敗退の波乱も
背中をつくまでが勝負という試合では、ほとんどが豪快な投げ技で決着。熱い戦いの連続に、観客たちからは大きな声援と拍手がわきおこった。
3連覇を狙った優勝候補筆頭、柔道有段者で神奈川県警勤務の小野瀬拓見さんが、沖縄・読谷村から出場した高校生の新垣賀真さんに敗れる波乱の展開のなか、小野瀬さんの同僚・白本周太郎さんが並み居る強豪たちを打ち破り、みごと初出場で大会を制した。
沖縄角力は初体験だったという白本さんは「体が大きい方が有利かと思ったが、小さくても技術があり強い選手がたくさんいた。小野瀬さんと決勝を戦いたかったが残念。でも仇は取れた。来年も連覇したい」と充実した表情で笑った。