入船小学校で“夢”のコンサート 米ピアニスト・ジェイコブさん 人権教育で演奏会
入船小学校で2月26日、人権教育などの一環として、アメリカ人でピアニストのジェイコブ・コーラーさんによる演奏会が開かれた。
全校児童約150人を対象に、人権やキャリア教育の授業として企画されたもの。
「国籍や文化に限らず、夢をもってがんばればできるということを学んでほしい」と、ジェイコブさんのコンサートに通っていた同校・中村公俊校長が直接依頼して実現した。
アメリカ・アリゾナ州出身のジェイコブさんは、テレビ番組などでも活躍し、YouTubeでも動画配信を行う人気のピアニスト。当日は、得意とするジャズセッションのように、楽曲とともに体を揺らしながら音楽を楽しむ姿も見せた。
ジャズアレンジで児童を魅了
冒頭、会場となった体育館の後方で児童が入場する様子を見守っていたジェイコブさん。
中村校長からの紹介で颯爽と登壇すると、あいさつ代わりに校歌を演奏。通常バージョンとジャズアレンジの2曲で児童の心をつかむと、楽器経験のある同校教諭とコラボレーションするなど会場をわかせた。
途中、曲当てクイズなどを出しながら児童たちとコミュニケーションを図り、低学年向けにはリズムに乗って体を動かすリトミックも披露。ディズニーメドレーでは曲に合わせて児童たちが歌う場面もあった。
日本語ゼロから活躍 「夢があればできる」
日本で初めて習った曲としてアニメ「ルパン三世」のテーマ曲を演奏したジェイコブさんは、流ちょうな日本語で来日当時を振り返り、「今でこそ仕事もたくさんしているが、実は仕事もなく、日本語もわからず、友だちもいない状態だった」とエピソードを紹介。
日本語はアニメを真似して覚え、ジャムセッションできる場所で友だちを増やしたとし、「夢があれば、どの国でも活躍できる。だからがんばって」と児童たちにエールを送った。
鑑賞した6年生の星優喜さん(12)と北原蒼大さん(12)は「すばらしくて感動した」と初めてだという生演奏に興奮。それぞれ、翻訳家と獣医師になるのが夢だとしたうえで、「ジェイコブさんの話を聞き、自分もがんばれると励みになった。勇気をもらえた」と声を弾ませた。