2020年国勢調査を基準に推計

 国立社会保障・人口問題研究所が12月22日、2050年までの「日本の地域別将来推計人口」を公表し、鶴見区は2040年まで人口増加が続き、2020年時点より1万人以上増えると予測されていることがわかった。

 推計は国勢調査をもとに公表されているもので、今回は2020年の調査を基準とした。全国都道府県別・市区町村別に、30年後までの総人口や男女別数、年齢別の割合などを5年ごとに推計している。

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 2020年時点で29万7437人だった鶴見区の人口。

 推計によると、鶴見区の人口は2025年時点で30万人を突破し、ピークは2040年時点で30万7770人と予想。以降、45年、50年と緩やかに減少しながらも30万人をキープする。

 20年時点から20年間で1万333人増える見込みで、市内18区中2050年時点で30万人を超えるのは港北と鶴見区のみ。鶴見区の人口は現在18区中3位だが、推計では2位の青葉区と35年時点で逆転する。

西区、鶴見区、港北区、都筑区が長く増加

 横浜市18区で比べると、最も長く人口が伸びると予想されるのは西区で、45年まで増加が見込まれる。次いで鶴見区、港北区、都筑区が40年まで増加し、神奈川区、中区が35年ピークと続く。

 2020年時点を100とした場合の人口指数では、全市で約1年後の2025年時点で100.2と現状を維持するが、すでに減少傾向に入っているとされる市内南西部を中心とした9区で100を割り込むと予測。

 50年時点で最も人口指数が低いのは金沢区の76.4で、次いで瀬谷区の79.7となり、この2区は20年から8割以下まで人口規模が縮小する形だ。

市内では低い高齢化率も3人に1人が65歳以上

 一方、年齢別割合でみると、2020年時点で65歳上の割合が21.3%と市内4番目に低かった鶴見区の高齢化率は、2050年時点で29.5%に上る。

 市内18区中50年時点で高齢化率が3割を下回るのは、鶴見区のほか、西区(28.1%)、港北区(29.2%)の3区のみだが、いずれもおよそ3人に1人が高齢者となる。

中心部に一極集中か

 日本全体の推計をみると、50年時点の総人口は1億468万人で30年の間に2146万人が減少。東京都を除く46道府県で20年時点の人口を下回ると予測されている。

 横浜市でも、特に近年マンション開発などが進むみなとみらいエリアを含む西区が最も長く人口が伸びると推計されていることから、都市部や中心部への一極集中は、減少が予想される自治体内でも同様の状況と推測される。

※参考=2050年までの横浜市および市内18区の年齢別割合


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