“未来の保育士”ら児童虐待防止を啓発 鶴見大学短大生 旧・文具のマルハチビルに自作ポスター 松尾工務店ら協力
こども家庭庁が定める「秋のこどもまんなか月間」の一つとして、「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」が展開されている11月。
児童虐待防止を広めようと2日、保育士や幼稚園教諭などを目指す鶴見大学短期大学部保育科の学生が、京急鶴見駅そばで解体中の旧マルハチビルの工事用仮囲いに、授業で作成した児童虐待防止啓発のためのポスターを掲示した。
学生らは「色々な人に見てもらうことで、子どもへの虐待がなくなれば」と期待する。
子ども支援のNPO法人サードプレイスが仲介
鶴見大生によるポスター掲示は、区内で児童支援などを行うNPO法人サードプレイス、老舗文具店のマルハチ、㈱松尾工務店の3者協力のもと実施された取組。
鶴見大学短期大学部保育科では、児童虐待や施設入所の仕組みなどを授業で学ぶにあたり、児童福祉が自分ごとになるようにと毎年虐待防止の啓発ポスターを作成。今年も100人以上の1年生が取り組んでいるという。
そんな中、今春、サードプレイスの代表である須田洋平さんが特別講師として大学に招かれた際、ポスター掲示が大学構内のみという話を聞き、「もっと街なかに貼って欲しい」と仲介を提案。
須田さんから話を受けたマルハチ・八木幹雄社長が、建て替え工事中の松尾工務店に相談。同社が「鶴見の会社として、地域が喜ぶならこんなにありがたいことはない」と快諾して実現した。
授業での学びいかし制作
掲示されたポスターは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」や、虐待防止のシンボルマーク「オレンジリボン」などをモチーフに、学生たちが描いたもの。
学生によると、授業を受け現状を理解したたうえで作るのだという。
今回、仮囲いに貼られたのは10枚。手描きのポスターをラミネート加工し、2カ所に貼り出した。
参加した学生は「学んでみて啓発しないといけないことだとわかった。色々な人に知ってもらい、虐待がなくなれば嬉しい」と充実した様子で語った。
授業を担当する鶴見大学短期大学部保育科の木口恵美子准教授は学外での掲示について、「自分たちがやっていることが社会につながっていると感じられ、学びのモチベーションになる」と歓迎。「保育士を目指す学生たち。児童虐待防止の役割を担っていると自覚もできるはず」と話した。