アジア制覇に挑む14歳 洪人館テコンドー(鶴見区本町通)佐藤妃那子さん 9月9日アジア選手権出場 昨年3位の雪辱へ
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本町通のテコンドー道場・洪人館に所属する潮田中学校2年生の佐藤妃那子さん(14)が、
大一番を前に道場で練習に励む佐藤さんは「優勝を狙う」 と意気込み十分。昨年、3位だった同選手権での雪辱を誓う。
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テコンドーは、足技に特徴をもつ格闘技の一種で、韓国の国技として知られる。競技人口は世界200カ国以上で7000万人を超え、「キョルギ」と呼ばれる対人の組手種目がオリンピック競技となっている。
佐藤さんが取り組む「プムセ」は、テコンドーの型の技術を競う種目。攻防の組み合わせで構成された演武の美しさや正確性などを競う。
7月末、全日本ジュニアテコンドー5連覇の快挙
現在、12歳から14歳までのカデット階級で戦う佐藤さん。これまでの最高成績は、昨年の世界大会5位とトップレベルを誇る実力者だ。
7月末、来年のアジア選手権への出場権をかけて行われた第16回全日本ジュニアテコンドー選手権大会では、プムセ中学生女子有段の部で1位に輝き、みごと5連覇を達成。
同大会では、階級を問わず出場選手中一人に贈られる最優秀選手にも選ばれ、「初めてもらえてすごく嬉しい」と笑顔が弾ける。
一方、昨年初挑戦となったアジア選手権では、2位のフィリピンの選手に0.01ポイント差で惜敗。3位となった悔しさをバネに、一年間、雪辱に燃えてきたとし、「来年こそ優勝と心に決めて練習してきた」と力を込める。
感動を与えられるのが魅力
テコンドーを習い始めたのは幼稚園年長から。「友だちが先に習っていて、自宅が近かったから」と何気ない理由だったことを笑う。
全日本には小学4年生で初出場し初優勝。6年生で階級が変わると、「周りの選手の雰囲気が変わった」とし、自身も将来をみすえて取り組むようになったという。
「うまくなったら点数が上がる。感動を与えられるのが楽しいし、嬉しい」と佐藤さん。テコンドーの魅力をそう話す。
誇らしい特別な経験
「負けず嫌い。自分に厳しく、向上心がある」とは、佐藤さんを長年指導するNPO法人洪人館テコンドー・洪君錫師範の評価。
もともとチャレンジすることが好きという性格も相まってか、今では平日4時間、土日は12時間という練習の虫に。佐藤さんいわく、夏休みはほとんど道場に通い詰め、「家ではご飯食べて寝るだけ」だったという。
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7月末の全日本大会後、韓国で行われた実力者が揃うオープン大会でも優勝を果たした佐藤さん。夏休みは友人たちとはもちろん、一度も遊べていないが、「特別な経験ができていることが幸せ。誇らしく感じる」と意に介さず、現状を楽しんでいる。
目の前の一つ一つを目標に
洪師範は佐藤さんについて、「妥協せず、上を目指す姿など、アスリートとしてのマインドは素晴らしい。上の階級でもおそらく世界トップレベル」とする。
テコンドーのプムセは現在、オリンピック種目になっておらず、「良さを広めていきたい」と佐藤さん。オリンピック日本代表は夢というが、「正式種目になるかわからない。だから目の前の一つ一つが目標」と地に足をつけて歩む意志を示す。
まず一歩目は9月のアジア選手権。「やるのは自分だけど、先生たちへの感謝を込めて、優勝という形で恩返ししたい」。“0.01”の壁を越え、その先にある頂きを目指す。