「鶴見版クロスロードゲーム」を児童が考案

 鶴見小学校5年4組の児童35人が1月24日、今年度一年間にわたり学んだ「防災」について、学習成果を披露する発表会を行った。

 体験会とした発表には、他学年の児童のほか地域住民ら300人が来場。

 児童が考案した防災クロスロードゲームや、自分たちで調べた防災グッズを紹介し、作り方も伝授。地域の来場者からは「子どもたちの目線でしっかり考えられていて素晴らしい」と感心する声が上がっていた。

自分たちで内容を考えた鶴見版クロスロードゲームを行う児童

地域の笑顔のため 「防災」テーマに

 「5年4組みんな4あわせ防災プロジェクト」と題した取組は、今年度の総合学習の時間で学んできたもの。

 年度当初、総合学習の開始にあたり、「まちの人を笑顔にしたい」との思いから、「そのために『安心して暮らせるまちに』」という考えにいたった児童たち。

 「安心して暮らせるまち」のヒントを探る中、地域の情報コーナーを設ける無印良品LICOPA鶴見店で、児童が防災に関するチラシを発見。授業に持参したところから、「防災」をテーマに学習が始まった。

NPOや企業らに災害時の対応など学ぶ

 授業では、近隣を流れる鶴見川についてNPO法人鶴見川流域ネットワーク、家庭でできる備蓄の一つ、ローリングストックなどについて無印良品LICOPA鶴見店などから学び、防災に関する知識を深めた。

 鶴見区総務課防災担当を講師に招いた授業で児童たちは、災害時に起こる選択をYES・NOで判断して意見を交わしていくカード型のゲーム教材「クロスロードゲーム」を体験。

 子どもたちは「鶴見版を作ろう」と、小学生、大人、高齢者、体が動きにくい人、外国人を対象に問題を1人1問以上考案。

 高齢者や体の動きにくい人の内容については、地域福祉を担う鶴見中央地域ケアプラザの職員らにアドバイスをもらいながら、より実践に近い形で仕上げた。

児童考案の鶴見版クロスロードゲーム。「70代の高齢者」など対象になりきり、地震や風水害発生時の選択を迫る。参加者はYES・NOを答えながら意見を交わし、災害や他者が直面する状況を自分事に変えていく

来場者に防災グッズなど紹介

 24日にあった防災プロジェクト体験会は、鶴見小学校体育館を会場に、クロスロードゲームコーナーや防災グッズ紹介コーナーを設置。

 無印良品LICOPA鶴見店ともコラボレーションし、同店スタッフによるローリングストックの紙芝居や、段ボールベッドの体験などもあった。

 5年4組の児童たちは、来場者に鶴見版のクロスロードゲームを披露。ビニール袋とすずらんテープを使った三角巾、牛乳パックのスプーンやホイッスル、ズボンとひもなどで作るリュックといった防災グッズの作り方も紹介した。

「自分事」にする児童の活動 地域から感心の声

 会場を訪れていた鶴見中央地区自治連合会の早野幹夫会長は「自分たちがどう行動するかといったテーマがしっかりしていて驚いた」と目を丸くし、「地域と学校と一つになって被災を小さくできれば」と話した。

 経験した児童は「妊婦さんや高齢者の人など、災害時に何が大変なのか勉強になった」「自分たちが周囲の人たちに気をつけなければいけないことがわかった」などと振り返り、防災を自分事にした様子だった。


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