社会貢献実践企業・団体に学ぶ「SDGs」 横浜市立東高校でプレゼン授業
ユネスコスクールとしてESD推進
横浜市立東高校(鶴見区馬場3丁目)で12月19日、ESD(持続可能な開発のための教育)の一環として、社会貢献活動などを実践する企業や団体の取組を学ぶ企画が行われた。
東高校は、2018年からユネスコスクールの認定を受け、ESDを推進している。企画は、国連が定める持続可能な開発目標であるSDGsなどへの理解を深める場として同年からスタート。
「東高Premium Program」と題し、横浜メディアビジネス総研との共催で実施している。
34企業・団体が協力 鶴見区から4者
参加企業・団体は事前に募集。イケア・ジャパンIKEA港北や日本マクドナルド㈱、㈱セブン-イレブン・ジャパン、㈱JTBなどといった大手企業から、市内の中小企業や地域団体まで34企業・団体が集まった。
鶴見区内からは、東宝タクシー㈱、㈱松尾工務店、㈱木曽屋、NPO法人つるみままっぷの4者が参加した。
関東学院大・小山学長の基調講演も
当日は、企業らの講義を前に、関東学院大学の経営学部教授で学長の小山嚴也氏による基調講演も実施。
小山学長は「これだけの数の企業・団体が、1校に集まるのは異例で幸運」としたうえで、「SDGsを起点に将来を考えて。家から近いとかそんな理由で大学を決めないで。受験は手段」などと持論を展開。「課題は教室の中でなく、社会の中にある。就職のときも安定を求めるな」と生徒らを激励した。
各企業、ビジネスを通じた社会課題解決、貢献の取組を紹介
参加企業の講義は校内の各教室で2回ずつ行われ、希望する生徒がそれを受講する形で進められた。
東宝タクシーは、大野慶太社長自らがプレゼン。平日日中の車両の稼働平均時間や運転免許取得者が減っていることなどを示しながら、柔軟な対応が可能な個別輸送手段としてのタクシーの利点を解説。「都市部である鶴見区内でもバス停から距離のある空白地帯はある」とし、「移動貧困社会の解決にタクシーは有用だ」とした。
さらに、タクシーには運転手が必要不可欠として、健康経営や手厚い福利厚生、多様な労働時間など、「働きやすい職場づくりでSDGsを実践している」と説明した。
「作ったもののメンテナンスなどはもちろん、災害時の瓦礫や倒木の撤去などに真っ先に向かうのは重機を扱える建設業者だ」と話したのは、建設業の松尾工務店。「作っているだけでなく、守るのも仕事」とし、社会に貢献している様子を紹介した。
大野社長は「身近な企業がどういう方針で事業を行っているのか知ってもらえてよかった」と話した。