児童たちが拾ったマイクロプラスチックで作成した万華鏡

 入船小学校4年1組の児童20人が、授業を通し、廃棄される不用品やごみなどに新たな付加価値を加えて再利用するアップサイクルの普及に取り組んでいる。

 12月4日には、鶴見区の協力のもと、区役所1階区民ホールにマイクロプラスチックで作成した万華鏡などを展示。牛乳パックを使ったハガキを作り、20日には実際に書く授業を実践するなど学びを深めている。

 児童たちは「アップサイクルのことをもっと知ってほしい」とさらなる普及に向けて意気込む。

給食で飲んだ牛乳パックを利用して作ったというハガキ

拾ったごみを“きれいなもの”に

 社会科でごみについて学んだことをきっかけに、生活で出るごみを何か再利用できないかと考え、「アップサイクル」というテーマにたどり着いた児童たち。

 区役所に展示した万華鏡は、材料に金沢区の野島公園で採取したマイクロプラスチックを利用。NPO法人海の森・山の森に学び、ごみの増えている現状に触れるなかで、まちなかにもあふれるごみを“きれいなもの”にアップグレードさせた。

金沢区の野島公園周辺で拾ったというプラスチック片

 展示では、一人ひとつ作成したという万華鏡の中身をパネルとして掲示。自分たちの体験を綴ったアップサイクル計画書も張り出した。

 計画書で子どもたちは「ポイ捨てはダメだと思った」「海岸のごみの量を見てショックだった」などと体験を記し、アップサイクルだけでなくごみの減量やリサイクルなどについてもPR。

 区役所での展示実現について、「区のごみ減量施策と合致した」とした区資源化推進担当の職員は、「市が進める脱炭素社会実現の目的の一つは、未来に良好な環境を引き継ぐこと」としたうえで、「まさに未来を担う子どもたちが自主的に活動してくれていることを、大変嬉しく、心強く感じる」と話した。

区役所1階区民ホールに飾られているパネル

区内企業協力で学び深め

 児童たちはこのほか、学区内でリサイクル業を営む㈱ツルミ紙業を見学。紙のリサイクルや商品化の様子などを学ぶなか、給食で飲んでいる牛乳のパックに着目し、牛乳パックハガキの作成にも挑戦した。

 20日には、鶴見区内郵便局を招き手紙の書き方教室も実施し、家族や祖父母など、手作りハガキを大切な人に送る活動も行った。

 児童たちは「区役所にも展示してもらえてうれしい。現状を知ってもらい、まちをきれいにできれば」などとコメント。今後は、ペットボトルキャップを利用したキーホルダーや玉ねぎの皮を染料にしたエコバッグなど、授業で作った製品の販売も検討中という。

作ったハガキは“プロ”である郵便局員が確認


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