“地元コラボ”で新制服誕生へ 東宝タクシー、横浜ファッションデザイン専門学校生のデザインで「鶴見らしい制服」 来年度刷新目指す
「地元コラボ」で新制服が誕生する――鶴見中央の東宝タクシー㈱(大野慶太代表取締役社長)が、鶴見駅東口にある横浜ファッションデザイン専門学校(YFD)に新制服のデザイン案作成を依頼し、このほど行われた選考会で最優秀賞などが決定した。
同社は来年度中に完成を目指すとしており、学生のアイデアをもとに鶴見らしさを取り入れた新制服がお目見えする予定だ。
社内委員会の発案でオファー
東宝タクシー㈱は、1953年に創業。鶴見を拠点に営業し昨年70周年を迎えたが、これまでドライバーなどは既製の制服を活用していたという。
そんな中、変更のきっかけとなったのは、同社が定期的に実施しているドライバーなどを交えた社内委員会。メンバーの一人が「作業着だった会社が、有名デザイナーの制服を取り入れて業績を挙げた」というニュースを紹介し、今回のオファーにつながった。
大野社長は今夏、もともとつながりのあったという横浜ファッションデザイン専門学校にデザイン考案を依頼。
「学生もデザインできることはモチベーションアップになる。地元とのつながりも深められるのはありがたい」と学校側も快諾し、企画がスタートした。
タクシーや鶴見のイメージもとに考案
東宝タクシー新制服企画に取り組んだのは、同校ファッションクリエイティブ科の学生約60人。
東宝タクシーから大きなリクエストはない状態から、学生たちは一人ひとり自分たちでデザインを研究。
タクシーや鶴見のイメージをもとにしたデザインのほか、運転手という職業として動きやすさといった機能部分にも工夫を凝らすなど、様々なアイデアが提案された。
デザイン案を受け同社では10月ごろから2度の選考会を実施。先ごろ行われた最終選考では、勝ち残った14作品の中から、ドライバー、事務担当者らが選定し、最終4案を決定した。
鶴見の「鶴」が最優秀
選考の結果、最優秀に選ばれたのは同校夜間部門に通う谷津博子さんの作品。男女同一のデザインで、色は「横浜=海」をイメージさせる青に、信頼感を感じる濃いグレーをあわせ、ベストにはニット素材を使用するなど機能面も意識した上、ワイシャツに折り鶴の刺繍を施すファッション性も光った。
大野社長は「フォーマルさと、鶴見の鶴のコンセプトを見事に融合させ、性別問わずにかっこよさを向上させたデザインが選考委員の共感を得た」と評価。
谷津さんは「ひと目見て鶴見のタクシー会社とわかるように工夫した。選んで頂けてありがたい」と喜んだ。
11月には最終4案を提案した学生が同社を訪問。大野社長は改めて感謝を述べ、優秀だった4案も部分的に採用しながら、来年度中に新制服を完成させる意向を示した。