こんにちは。NPO法人つるみままっぷです。

前回お伝えした『やさしい日本語版』が、いよいよ仕上がってきました。
https://www.koretsuru263.com/kurashi/8938/

本当は、7月中に完成する予定でしたが、遅れています。

今日は、その理由(試行錯誤)をお伝えしたいと思います。

ひらがなにすると、字数が増える!!

『やさしい日本語版』は、文字をひらがなだけにしようとしています。

日本に来て間もない、外国にゆかりのある方も読みやすい地図にするためです。

編集当初、とにかくひらがなにしてみました。漢字をひらがなにすると字数が増えるため、かなりの文字をカットしました。

まずは、交差点名。ヒアリング時になくても大丈夫と判断しました。

次に、お店の口コミ情報。私たちは、地図にお店を載せる際に、必ず掲載許可を取り、載せる理由となる口コミを載せています。

店名の下に載せている茶色いコメントです。これをカットしました。「名前がわかれば検索できる」とヒアリング時に聞いたからです。

最後に、公園名。小さな公園は名前が長いものがあり(〇〇何丁目第二公園など)主な公園を除き、思い切ってカットしてみました。

ひらがなだけだと、読みにくい!?

字数はかなり減らすことができましたが、ひらがなに変えてもらった地図を見た時、あまりにも読みにくくてビックリしました。

同じ日本語、それも簡単なひらがなですから、やさしい日本語版を作るのは簡単だと、たかをくくっていましたが…

これでは無理だ。

このまま仕上げるのは難しいと判断し、方向転換することに決めました。

カタカナ、そしてまた…

「全てがひらがなだから、読みにくいのでは?」そう思い、色々考えてカタカナを混ぜることにしました。

日本語は、外国から来た言葉を元々カタカナで書いています。混ぜることで読みやすくなると思ったのです。

カタカナはカタカナのままでいい。そう思い、カタカナに戻してもらいました。少し読みやすくなりました。

でも、このひらがなとカタカナが混ざった文章を読みながら、ふと思ったことがあったのです。

カタカナは、難しくないのか?

ひらがなは50音あると言われています。カタカナも同数あります。それに対して、アルファベットは26文字しかありません。

カタカナが増えたら、覚える文字が増えるのでは?

誰かに相談する必要があると思い、他区でやさしい日本語で子育て冊子を作った方に聞いてみました。

予想通り、カタカナは難しいと思っている外国の方は多いとのこと。カタカナを載せる時は、ひらがなでルビ(ふりがな)を振ったと教えてくれました。

やっぱりそうなのか…

もう地図内全部、カタカナに戻してもらいました。今更、どうしたらよいのでしょう。

やっぱり、ひらがなに…

私たちの地図の文字は小さく、ふりがなを振ることはできません。

ケアプラザ→けあぷらざ→ケアプラザ→…

元々カタカナだったものをひらがなに変えています。それをカタカナに戻してもらったのに、またひらがなにするなんて…

なんて面倒な作業をお願いしているんだろう。また、ひらがなに…なんてお願いできない。

そう思いながら、一方で「このままでいいのか?」という思いが強くなり、このまま仕上げてよいのか、葛藤が続きました。

読みやすさを目指して

初めから相談していればよかったのです。

どうして相談しようと思わなかったのか。

日本語だから簡単だと軽く見ていたのでしょう。自分の見通しの甘さを激しく悔やみました。

作業を頼んでいる人に申し訳なくて、これ以上の変更をお願いできる気がしませんでした。

どうしよう。どうしたらいいのか。

悩み、悩んだ先に思ったのは、「なぜ、やさしい日本語版を作ろうと思ったのか?」でした。

読みやすい地図を作る。

それが、私たちが自らに課した使命です。

このことを曲げてはいけない。

そして、自分の浅はかさを認めなければと思いました。

今回、私が迷走したことで、編集担当も作業をしてくれる人も迷走させてしまいました。

でも、読みやすさを追求したい!!

その思いで、もう一度ひらがなに戻してもらうことにしました。

最終的に落ち着いた形は?

カタカナをもう一度ひらがなに戻してもらい、読みにくい日本語に戻りました。

これを、カタカナではなく読みやすくする方法を考えていた時に、ふと小学一年生の国語の教科書を思い出しました。

文章が、単語ごとに分かれている。

《分かち書き》という書き方でした。

「これだ!!」と思い、試しに、文章を単語ごとに分けてみたところ、とても読みやすくなりました。

けれど、これを全てに反映させることの手間といったら…今は、その作業に追われています。

他にも工夫したことはありますが、それは次回に。次は、完成のご報告したいと思います。

あと少し。応援よろしくお願いします。

 

執筆:NPO法人つるみままっぷ 代表 今井幸子

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