今日の「鶴見な人」vol.1
高嶋 秀人さん
運と縁を糧に“前進全霊”
高嶋 秀人さん 駒岡在勤 30歳
切り拓く先輩たちの背中を追って
鶴見区内約1800社が加入し、税務行政への寄与や健全な企業経営の発展などに取り組む(公社)鶴見法人会で、若手会員から成る青年部会。例年、小学生向けに「租税教育」をテーマに行う、青年部会の一大イベントがある。
15年以上続く伝統の企画。今年は「運動会」に決めた。
「基本、誘われたら断らないようにしているんですよ」。指名を受けたのは今年5月ごろ。「やります」。言われたから受けた。「ありがたい」。必要とされることに感謝する。
鶴見法人会には、入社してすぐ、21歳のときに入会した。「1年くらい活動して行かなくなった」。自分に一番近い人が30歳という年齢差。従来の流れは変わらないと感じた。「若かったんでしょうね」と振り返る。
再び参加するようになったのは20代後半になってから。誘われたゴルフ交流会。まわりにいるのは、自ら切り拓いてきた一国一城の主ばかりと気づいた。人と接する大切さを学び、損得なしで先輩たちの話が面白いと思った。
スタート地点は原風景
これまでの看板企画は「トレジャーハンティングinつるみ」だった。鶴見のスポット巡りや体験を中心としたイベント。2005年から続いていた。
だが今年は「運動会」をメインにすえ、運動が苦手な子どものために縁日をセットにした。名前も変える変革だ。
過去の話を聞く中でピンときたのが、かつて一度だけ会員向けに行われたイベント「つるみんピック」だった。「やりたいことやっていいと言われたから」と変化は意に介さない。
「走ったら洗剤とかもらえて、帰るとお母さんが喜んでくれて、楽しかったんですよ」。馬場で生まれ、小さいころの思い出に残る地区対抗の運動会。「今、あんまりやってないですよね」。良き原風景を取り戻したい。その思いがスタート地点だった。
逃げた先が良くなるとは限らない
本業ではプラスチック成形や特殊印刷などを手がける。継ぐつもりはなかった父の会社。国立を狙った大学受験。すべてをかけた後期試験が中止となった。2011年の3月のことだった。
浪人中、アルバイトのつもりだった手伝い。気づいたら21歳で入社していた。2週間ほどで先輩社員が辞め、イロハの「イ」の手前で独り立ちした。使い方もわからない特殊な機械たち。一つ数秒で完成する部品に数時間かかった。
「よく取引が残りましたよね」。そう自嘲する。
「逃げた先が良くなるとは限らないじゃないですか。だから困難があっても逃げないようにしている」。とにかくぶつかって覚えた気力の源をそう語る。
子どもの笑顔のために
2歳の息子と妻と暮らす。休みの日はなるべく家族サービスというが、ライター、母校・鶴見大付属高の同窓会、草野球、ジムなどに加えて「つるみんピック」の実行委員会が月に数回と“目白押し”。「忙しすぎて困る」と笑って首をひねる。
「子どもたちが楽しんでいる姿をイメージすると乗り切れる」。前回かかわったトレジャーハンティングで見た無邪気な笑顔。純粋にあった達成感。がんばれる理由の一つだ。
それでも「自分に自信がなくて、常に修正したくなる」。そう打ち明けつつ、一緒に動いてくれる仲間がいるから形になったと感謝する。
「全部、運と縁」。現在進行系で“教わる”、人との出会いを胸に刻み、一大イベントの舵を取る。
【つるみんピック2022】主催:(公社)鶴見法人会青年部会 後援:鶴見区役所 鶴見大学
■開催日時 11月20日㈰12時30分〜16時30分 ■会場 鶴見大学体育館 ■対象 小学校4年〜6年生※未就学児〜低学年用の同時開催イベントあり
■詳細・申し込みは関連記事参照
※当コーナーは横浜市鶴見区内で活躍する人たちを紹介する不定期コーナーです