【鶴見まちかどグルメ探訪】コロナ禍の開店は試行錯誤のチャレンジ 平安町銭湯前食堂「魚ぎょぎょ」
個性豊かな鶴見区グルメを編集部が独断と偏見で紹介するコーナー「鶴見まちかどグルメ探訪」。
今回は、2020年、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中でオープンした和食店・平安町銭湯前食堂「魚ぎょぎょ」。
当初予定のなかったランチ営業、銭湯の閉店、訪れないディナー客…常連がいない新店舗という苦しさの中、試行錯誤でコロナ禍を生きる飲食店に話を聞いた。
豊洲直送が“ウリ” 出店は地域への恩返し
平安町銭湯前食堂「魚ぎょぎょ」は、豊洲から直接仕入れる鮮魚が特徴のお店として、コロナ禍の2020年9月、鶴見区平安町にオープンした。
平安町に事務所を置いていたこともある三盛産業㈱(本社=川崎区京町)が手がける同店。
駅前という立地での出店も考えたが、食事できるところが少ないという近隣の状況を受け、「50年以上お世話になった地域への恩返し」とこの地を選んだ。
お酒出せずも誠実に食事提供を
実は2019年7月、東京都大田区蒲田に出店した洋食店が、およそ8カ月で出店先施設の撤退により閉店。新型コロナが理由だった。
その後、新たな店舗を探す中で平安町銭湯前の同所を見つけ、蒲田時代の縁で豊洲の仕入れ先とつながっていたこともあり、魚メインの居酒屋をイメージして改装準備を進めていた。
一方で、コロナ感染は収束の様子を見せず、オープンしないという選択肢もちらついた。
先の読めない感染の状況を見ながらタイミングを計る日々。内装は完了し、「後には引けない状態になった」。
20年秋、多少感染が収まってきたところでオープンに踏み切った。
「お酒は出せないが満足してもらえるように、誠実に食事をしっかり作っていれば悪い店にはならないはず」。そう信じてスタートした。
休業と再開を繰り返すコロナの波
オープン当初は客足も上々だった。
だが、コロナの波は止められず、21年の年明けから緊急事態宣言が発令。休業を余儀なくされた。
当初は夜のみの居酒屋スタイルを予定も、アルコールの提供を取りやめ、来店がほとんどないときもあったという。
繰り返す休業と再開。ランチを始め、デリバリーも開始するなどチャレンジを続ける中、今夏、店名にもある向かいの銭湯「平安湯」が閉店した。
「宴会はあっても薦めず、感染対策を意識している。とにかく試行錯誤」と振り返る。
ランチ、夜ともに戻りつつある日常
現在ランチは常時展開。ディナーも通常営業している平安町銭湯前食堂「魚ぎょぎょ」。
世間ではさまざまな制限も緩和され「withコロナ」と言われるようになり、10月以降はランチの客数も増えてきているという。
また、“ネタの良さ”が伝わってか、夜の客足も戻りつつあると同店。認知度もあがってきているが、「住宅街の店舗。もっともっと知ってほしい」と話す。
編集部が取材に訪れたときは、ランチメニューを実食。
豊洲直送というだけあり、魚はどれも新鮮に感じ、まぐろの赤身は甘みある旨さが際立っていた。
さらに、気になったのは二種類の小鉢。しっかりと手作りになっていて、細かな部分まで気を抜かない、作り手のこだわりが垣間見えた。
座席は、テーブル席とカウンター席をあわせた全18席。カウンターは奥行きが広く、ゆったりくつろげる作りとなっている。
全国津々浦々の銘酒も取り揃え
魚ぎょぎょでは、こだわりの食に合う日本酒も用意。
季節に応じて全国各地の銘酒を仕入れ、この魚に合う味として提供してくれる。
ひっそりとした住宅街のなかで、美味美酒に酔える、そんなお店かもしれない。
15人〜完全貸切可能。営業時間等、詳細は以下の概要欄参照。
今日は数あるメニューの中から、店舗提供のおすすめ料理の一部を紹介する。
【平安町銭湯前食堂「魚ぎょぎょ」】
■住所 横浜市鶴見区平安町1-42-4(Google地図平安町銭湯前食堂 魚ぎょぎょ)
■営業時間 ランチ11時30分〜14時(L.O.13時30分) ディナー17時〜22時(L.O.食事21時、飲み物21時30分)
■定休日 月曜日・隔週火曜日 ※年末年始、臨時休業等はSNSなどで随時告知
■アクセス
駅から⇒京急本線「鶴見市場駅」(出入口 1) から徒歩 7分(540m)、JR南武線「八丁畷駅」(西口)徒歩10分(730m)、JR南武線「川崎新町駅」徒歩11分(880m)
バス停から⇒川崎鶴見臨港バス【 急行 】「平安町」徒歩3分(220m)、横浜市バス鶴16「市場」徒歩5分(360m)、川崎鶴見臨港バス川29「池田」徒歩5分(380m)
■駐車場なし ■店内禁煙(喫煙所あり)