開始時刻前から人出

 横浜市鶴見区に根付く「沖縄」の食や文化を楽しめるイベント「鶴見ウチナー祭」が6日、3年ぶりに入船公園での通常開催となった2日間の日程を終えた。

 主催者によると1日目は4万人、2日目は5万人で計9万人の来場となった。

 2日目も開始時刻前からステージ前のスペースが人で埋まる盛況ぶり。

 快晴のもと、ステージでは三線民謡や琉球舞踊など、鶴見区内の教室による発表などがあり、野球場側に設けられたエイサーステージでは、鶴見エイサー潮風など3団体が演舞を披露した。

エイサーステージのトップとトリの2回演舞を披露した鶴見エイサー潮風

キッズダンス、“鶴見沖縄県人会長”片岡鶴太郎さんが会場盛り上げ

 1日目に「鶴見ちむどんどんコーナー」を盛り上げた鶴見駅前のダンススタジオWAAAPSが、2日目はキッズダンサーを引き連れ練習の成果を披露。

 ちむどんどんステージには、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で鶴見沖縄県人会の会長役を演じた俳優の片岡鶴太郎さんが登壇。片岡さんは夏に来る予定が来れなくなったことに触れ、「鶴見は初めて。ずっと来たかった。やっと念願がかなった」と会場をわかせた。

 エイサーステージ、メインステージともフィナーレは、沖縄の方言で「かき混ぜる」を意味する踊りカチャーシー。会場全体が一つとなった。

エイサーステージのフィナーレ。日が落ちて影になった野球場で鶴見エイサー潮風ら2日目出演の3団体と来場者が入り乱れた

準備遅れ、PR不足も 「『待ってた』の声に感謝」

 実行委員会によると、コロナの影響で通常より3カ月遅れの準備スタートだったという今年の鶴見ウチナー祭。

 通常開催を決めたあとも、出演者や出店者への声かけなど、感染状況を見ながらフレームが定まらないジレンマがあったという。

 実際、作成が遅れたチラシは配り切ることができず、PR不足の面は否めない状況だった。

 そんな中で迎えた本番。会場を埋め尽くす人出に、事務局長を務めた野村拓哉さんは「ほとんど宣伝できていない状況で、口コミだけ。本当に嬉しかった」とコメント。

 「このステージに立つために一年がんばってきたという声があったり、続けていかなきゃと改めて思った。地域のみんなで作っていく形になってきた。もっと地域感のあるイベントにしていければ」と話す。

 実行委員長の下里優太さんは2日間を終え、「『待ってたよ』という声もあり、楽しみ過ぎて2日前の設営も見たという人もいた」と笑顔。

 そのうえで「今年は『ちむどんどん』を見て、初めて鶴見に来たという人も多かったと思う。来年以降はウチナー祭を楽しみに鶴見に来てもらえるようなお祭りを継続していきたい」と意欲をのぞかせた。


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