日本の近代化に大きな影響を与えたとされる「生麦事件」。その史実を後世に伝える史料館として親しまれ、現在閉館中となっている「生麦事件参考館」を復活させようと鶴見区内の有志らが取り組みを進めている。

 1月18日㈯と19日㈰には、地元の歴史として生麦事件を知る講演などを企画。再開に向けた機運を高めていく考えだ。

閉館中の生麦事件参考館

閉館中の私設史料館

 生麦事件は、大名行列に立ち入った英国人を薩摩藩士が殺傷した事件。1862年(文久2)、東海道・生麦村で発生し、のちの薩英戦争から明治維新へと発展する最初のきっかけとして知られる。

 生麦事件参考館は、地元に残る歴史的事件を伝える施設が一つもないと、生麦駅前で酒店を営んでいた浅海武夫さんが開設した私設の史料館。

 国内外から独自に集めた写真や絵、文献など約150点を並べ、約30年にわたり自らが語り部として史実を伝えていたが、一昨年に亡くなり閉館していた。

横浜市助成事業「まち普請」に挑戦中

 そんな中、鶴見歴史の会をはじめとする地域住民ら有志が、浅海さんの思いを継ぎ再開を模索。遺族とも協力のうえ、「生麦事件参考館リユースプロジェクト」を立ち上げ、昨年から活動を進めてきた。

 再開にあたっては、老朽化が進む施設の改修費捻出などを目的に、横浜市の助成制度「まち普請事業」に挑戦中だ。

 地元の歴史を伝えるだけでなく、地域の拠点などとして活用していく新たな施設へアイデアを出し合い、昨夏には1次コンテストを突破。1月26日に最終2次コンテストに臨む。

歴史や旧跡学び“地元ガイド”に

 1月18日㈯の企画は同プロジェクト内「生麦さんぽ班」による勉強会。生麦事件をはじめ地域の歴史や旧跡を学び、地元ガイドとして知識をつける取組となっており、プロジェクトメンバーとともに定期的に学びを深めていくという。

 時間は10時〜12時。会場は生麦地域ケアプラザとガイド地点。参加費は資料代100円(毎回)。申し込み・問い合わせは090−3094−5421(山田さん)または080−1038−4072(倉田さん)。申し込みは前日までに連絡。

ケイタ☆ブラジル氏が講演

 1月19日は、昨年夏に発行された『地球の歩き方横浜市』にも文や写真を寄稿し、独自に生麦事件についての発信やツアーなどを展開するケイタ☆ブラジル氏をゲストに招く講座企画「世界を開いた生麦事件を語る」を開催。

 生麦事件を知る意義や生麦の魅力などについて話を聞く。

 時間は15時〜17時。会場は生麦地域ケアプラザ。参加費は300円。申し込み不要で希望者は当日直接会場へ。問い合わせは、090−9855−7386(酒井)またはmiemiesait@gmail.com(齋藤さん)。

 


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