支援者らと当選を喜ぶ中西氏(中央、鶴見区内の選挙事務所で)

 第50回衆院選が10月27日に投開票され、神奈川3区(鶴見区・神奈川区)では、自民党前職の中西健治氏(60)が2回目の当選を果たした。

 全国で自民劣勢が伝えられるなか、前回2021年から2万7千票を減らしたものの、鶴見・神奈川両区で県・市計7人という地方議員との連携などで保守層を固め、厳しい選挙戦を勝ちきった。

事務所到着後、出迎える支援者らにあいさつする中西氏

接戦で陣営一体に 今後も一丸誓う

 中西氏に加え、立民・中村武人氏(49)、維新・佐藤香氏(50)、共産・横山征吾氏(53)、参政・内田恵美子氏(48)の5人が立候補した神奈川3区。

 開票とほぼ同時となる20時過ぎに決着した前回衆院選とは打って変わり、3時間が経過しても「当確」が出ない接戦の様相を呈した。

 中西事務所に漂っていた暗いムードに明かりが灯ったのは、日付が変わった瞬間。テレビで「当確」の報が告げられると、集まっていた支援者らから拍手と歓声がわき起こった。

 あいさつに立った中西氏は「みなさんに支えて頂いた。大変厳しい選挙だった」と戦いを振り返りつつ、終始接戦という報道があったことに触れ、「緊張感を高めて、陣営一体となって進むことができた」と総括。

 「今回の厳しさで絆がさらに深まり、強くなった思いがある。これからまた、皆さんの声をどんどん寄せて頂き、国・県・市、一緒になって進んでいきたい」と決意を語った。

立民・中村氏 躍進の“風”に乗れず

 次点で涙を飲んだのは立民・中村氏。

 神奈川区の元県議としての実績などをもとに、鶴見区でも浸透を図ったが、短い準備期間で躍進した立憲民主の風に乗り切れなかった。

 前回の同党候補より3000票あまりを伸ばしたが、重複した南関東ブロックの比例代表でも惜敗率77.5%で一歩及ばず、復活もならなかった。

 維新・佐藤氏は、初の選挙戦でエッセンシャルワーカーの処遇改善などを訴えたが、政権批判票を取り込みきれず、参政・内田氏は学習塾代表などの経歴から教育分野、共産・横山氏は「政治とカネ」問題などをアピールしたがまとめきれなかった。

 投票率は、前回より0.09ポイント減の52.55%で、鶴見区単独では0.14ポイント増だった。


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